グレイス・カード~許しのちから~(2010年 アメリカ)

グレイス・カード ~許しのちから~ (字幕版) - マイケル・ジョイナー, マイケル・ヒギンボトム, ルイス・ゴセット・Jr, Joy Moore, Dawntoya Thomason, Rob Erickson, Kiana McDaniel, Taylor Ollins, Cindy Hodge, David Evans, Howard Klausner, John Saunders, John Nasraway
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アメリカ・テネシー州メンフィス。まだ幼い少年・タイラーは、補助輪なしで自転車に乗る練習に励んでいましたが、なかなか上手くいきません。タイラーは、目の前で愛車を洗っていた父親・ビル(マイケル・ジョイナー)に、「補助輪つけてよ。」と、頼み込みますが、マックは、「諦めるな。」と、励ますだけ。タイラーは、補助輪をつけてもらうのを諦めるしかありませんでした。

グレイス・カード ~許しのちから~ (字幕版) - マイケル・ジョイナー, マイケル・ヒギンボトム, ルイス・ゴセット・Jr, Joy Moore, Dawntoya Thomason, Rob Erickson, Kiana McDaniel, Taylor Ollins, Cindy Hodge, David Evans, Howard Klausner, John Saunders, John Nasraway
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そんなタイラーの家の近くに、1台の車が止まっていました。運転席には、サングラス姿のヨーロッパ系の男性が、助手席には、頭にバンダナを巻いた中南米系の男性が、それぞれ座っています。実は、彼らは、麻薬犯の取り締まりをする警察官で、今ちょうど、張り込みの最中でした。しばらくすると、1台の自転車に乗ったアフリカ系の青年が、1台の車に近付きます。この青年の正体は、麻薬の配達人。青年は、車の運転手から、山のような数の紙幣でパンパンに膨らんだ紙袋を受け取ります。そして、その場を離れようとしたその時、張り込みをしていた警察官の車がスピードを上げて、近付いてきます。青年は、どうにかして逃れるべく、その場に止めてあった車に乗り込み、猛スピードで逃げます。その頃、タイラーは、補助輪のない自転車を少しずつ漕げるようになっていました。「パパ、乗れたよ。」ビルは、タイラーの声に気付き、タイラーの努力の成果を目に焼き付けようとします。ところが、次の瞬間、タイラーは、警察官に追われていたアフリカ系の青年の運転する車に轢かれてしまいます。



「タイラー!」タイラーがこの世を去ってから17年後、妻・サラ(ジョイ・パーマー・ムーア)と一緒にベッドで寝ていたビルは、タイラーが命を奪われたあの悪夢が脳裏に蘇り、タイラーの名を叫んで、起き上がります。しばらくして、ビルは、タイラーの弟で高校生のブレイク(ロブ・エリクソン)を起こしに行きます。この日、サラは、カウンセリングの予約を取っていました。家庭問題の専門家に、ブレイクの事で相談に乗ってもらおうと考えていたのです。しかし、ビルは全くそんな気になれません。肝心のブレイクも、朝食をコーヒーだけで済ませ、「夕飯まで出かける」と、言って、自身を迎えに来てくれた友人のニックの元へ向かおうとします。サラは、ブレイクに車の購入資金を援助する約束をしていました。しかし、ビルにとって、そんな事は寝耳に水でした。この家族の収入は、警察官として働いているビルの月給だけ。かつては、サラも働いていましたが、職場で怪我をしたのを理由に仕事を辞め、専業主婦になっていました。そんな状況で、サラは、車を1台買えるだけのお金を用意する事なんてできるのでしょうか。しかし、ビルは見抜いていました。ブレイクは、車を買おうとしているのではなく、マリワナを買おうとしているのだと。しかも、ブレイクがマリワナを買うのは、今回で2度目。ビルがブレイクにそれを鋭く指摘すると、ブレイクは途端に無口になり、家を出ていくのでした。



この日、ビルが警察署に出勤すると、プロテスタント系の牧師になる事を夢見る温厚なアフリカ系の巡査・サム(マイケル・ヒギンボトム)が、同僚と冗談を言い合っていました。その後、朝礼が始まると、署長が、主に家電製品を狙う窃盗団の存在を明らかにします。先週金曜日の深夜にも、とある大型店が、窃盗団にテレビやパソコンなどを盗まれ、被害総額は2万ドルに上りました。署長は、部下たちに現行犯逮捕を命じます。さらに、署長は、サムが巡査部長に昇進した事を発表します。署長がサムの昇進を祝福すると、サムは、同僚たちから拍手で祝福される中、トレードマークである笑顔を見せるのでした。



サムは、この日から、ビルと2人でチームを組む事になりました。サムは、この決定に心から満足しますが、ビルは全くそうではありませんでした。ビルは、署長を呼び止め、サムと組む事になった理由を尋ねます。署長は、一匹狼を貫いてきたビルがこれからも単独で行動するのは危険だと説明します。しかし、ビルは、そんな表向きの理由を鵜呑みにするような人ではなく、署長にもう一度本当の理由を聞き出そうとします。すると、署長は、ビルが昇進を逃してしまった事を説明します。ようやく真相を知る事ができたビルは、サムが昇進できたのは、サムがアフリカ系だからだと皮肉り、さらに、自身がこの警察署で誰よりも有能である事をアピールし始めます。実は、署長がビルの昇進を見送ったのは、ビルがこのように思い上がった態度を取るためでした。署長曰く、サムは数週間後に異動する事が決まっています。署長は、ビルがサムから何かを学んでくれる事を期待していました。こうして、ビルとサムは、数週間限定でチームを組む事になりました。2人がまず行ったのは、パトロールでした。ビルが不愛想な態度でパトカーのハンドルを握っているのに対し、サムは助手席で楽しそうに賛美歌を歌っていました。



その頃、ブレイクは、学校のロッカーで、同級生のジェンから、あれやこれやと質問を受けていました。「まだ、怒ってるの?」、「メールの返事もないよね?」といった質問に、ブレイクは嫌々ながらも答え、週末に電話をする事を約束します。同じ頃、サラは、カウンセリングを受けていました。サラは、ブレイクの話をしていました。本人はやる気がないように見えるが、やる気を見せたら勉強ができる事、ビルと1年中親子喧嘩をしている事を話すサラ。すると、カウンセラーは、サラにブレイクの事を心配するようになった理由を尋ねます。サラは、断言します。ブレイクの兄・タイラーが幼くして亡くなった事が理由だと。そして、ビルも、タイラーの死がきっかけで、すべてが変わってしまい、タイラーが亡くなった経緯の話になると、今でも怒りを抑える事が困難である事を話します。



一方、ビルとサムは、パトロールを続けていました。サムは、賛美歌を歌う事や説教をする事を止める気配が一向に観られません。その姿は、まさに警察官の制服を着た牧師です。ビルは、サムとチームを組みたくなかった事をはっきりと口にします。サムも、ビルとチームを組みたくなかった事を口にしますが、これも仕事のうちだと割り切っていました。その日の夜、サムは、妻・デブラ(ドーントーヤ・トマソン)や長女・グレース、次女・エミリーが待つ自宅に帰り、自室で仕事の勉強をします。デブラは、夫の勉強中に、縫いぐるみの取り合いで大きな声を出す娘たちをたしなめます。



その頃、ビルは、サラと2人で夕食を摂っていました。ビルは、サムとチームを組んだ事、昇進ができなかった事などをサラに報告します。サラも、ビルにこの日のカウンセリングの内容を報告します。しかし、ビルは、サラがカウンセリングを受けた事が気に食わない様子です。ビルがこうなるのには、れっきとした理由がありました。以前に、サラは、なけなしのお金を使って、精神科に5年間通院した事があったのですが、期待していたような効果が見られず、ビルも、当時の主治医の事を、期待通りの働きぶりを見せなかったという理由で、「ヤブ医者」と、呼んでいました。さらに、ブレイクが、勉強に興味がなさすぎるのに加えて、反抗期真っただ中である事も、ビルは気に入りませんでした。ビルは、これらの理由で立て続けに暴言を吐き、サラはただただため息をつくしかありませんでした。



翌日、ビルとサムは、パトカーに乗り、パトロールをしていました。その途中、無線に連絡が入ります。家庭内暴力で通報があったというのです。2人は、現場となったフォレスト・グレン・アパートへ向かいます。現場に到着すると、アフリカ系アメリカ人の若い女性が「赤ちゃんが!」と、泣き叫びながらパトカーの窓ガラスを力いっぱい叩きます。彼女が仕事に出ていた時に、同居中の彼氏が、泣きやまない赤ちゃんに腹を立て、殺そうとしたのです。2人はすぐに部屋に向かいます。彼氏は、部屋におらず、外に飛び出したばかりでした。ビルは、部屋の外で彼氏を探し始めますが、すぐに何者かに背後から銃を突きつけられます。銃を突きつけたのは、彼氏でした。ビルは彼氏から銃を捨てるよう言われて、素直に従い、さらに、その場で膝まずくよう、言われます。すると、そこへサムが駆け付けます。彼氏は、こう訴えます。「刑務所は嫌だ。こいつ(ビル)を殺して、俺も死ぬ。」これに対し、サムは、こう説得します。「彼には、妻と息子がいるんだ。」と。彼氏は、この言葉を聞いて、銃を捨てます。ところが、今度は、ビルが彼氏に銃を突きつけます。銃を握っていたビルの右手は、小刻みに震えていました…。



この映画でメガホンを取ったのは、デヴィッド・エヴァンス監督。タイトルにもあるように、この映画は、Black Lives Matterの運動より10年も前に製作されたものですが、Black Lives Matterとは、被害者と加害者の立場が正反対になっているのが印象的です。物語の前半は、アフリカ系アメリカ人の青年に最愛の息子・タイラーを殺されたビルの怨恨が、タイラーの死から17年の歳月が流れてもなお、アフリカ系アメリカ人全員に向けられる悲しさが描かれています。1つの人種を悪い意味で一括りにされてしまうのは、一括りにされる側の心を深く傷付ける行為であるという事を、この映画を観て、改めて感じます。



「殺伐」と表現しても過言ではないビルとは対称的なのが、ビルの仕事でのパートナーであるサムです。牧師になる事を夢見るサムは、どんな時でも冷静さと笑顔を忘れず、たとえビルに心ない事を言われても、被害者ぶりをアピールするのではなく、持ち前のユーモアで見事にかわし、家庭では妻や娘たちをとても大切にしています。コロナ禍がまだしばらく続きそうな今日この頃ですが、サムの冷静さは、私も見習わなければならないと思いました。



さて、物語の後半に話を進めたいと思います。物語の後半のキーパーソンは、ビルの息子で、タイラーの弟のブレイク。サラは、カウンセラーに、ブレイクが勉強をしようとしない事や、ビルと1年中喧嘩をしている事を話していますが、これらの内容が、後に一家に大きな悲劇をもたらす事になります。この大きな悲劇により、ビルは、自分で自分を責め続け、サラは、タイラーに続いてブレイクも失ってしまうのではないかと、とてつもない恐怖に苛まれます。一体、一家に何が起こったのでしょうか?そして、その先に待つ結末とは?

グレイス・カード ~許しのちから~ (字幕版) - マイケル・ジョイナー, マイケル・ヒギンボトム, ルイス・ゴセット・Jr, Joy Moore, Dawntoya Thomason, Rob Erickson, Kiana McDaniel, Taylor Ollins, Cindy Hodge, David Evans, Howard Klausner, John Saunders, John Nasraway
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