シング・ストリート 未来へのうた(2016年 アイルランド・イギリス・アメリカ)

シング・ストリート 未来へのうた [DVD] - フェルディア・ウォルシュ=ピーロ, ルーシー・ボイントン, ジャック・レイナー, エイダン・ギレン, マリア・ドイル・ケネディ, ケリー・ソーントン, ベン・キャロラン, マーク・マッケンナ, ジョン・カーニー
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「毎日ガミガミ言いやがって!」、「何さ!酒とグチばっかり!!」1985年、アイルランドの首都・ダブリン。14歳の少年・コナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)がアコースティックギターを軽く爪弾いている横で、彼の両親がまたしても口喧嘩をしています。最初はマイペースでアコースティックギターを爪弾いていたコナーでしたが、次第に口喧嘩が長引いてくると、両親の発した言葉を歌詞にして歌い始めました。

シング・ストリート 未来へのうた [Blu-ray] - フェルディア・ウォルシュ=ピーロ, ルーシー・ボイントン, ジャック・レイナー, エイダン・ギレン, マリア・ドイル・ケネディ, ケリー・ソーントン, ベン・キャロラン, マーク・マッケンナ, ジョン・カーニー
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この頃、アイルランドは、大不況の最中にありました。多くの若者たちは、なけなしのお金を持って船に乗り、イギリス・ロンドンへ渡りました。コナーの家族も、大不況の影響を受けていました。父・ロバート(エイダン・ギレン)は失業し、母・ペニー(マリア・ドイル・ケネディ)は、出勤日が週3日に減らされていました。そのため、兄のブレンダン(ジャック・レイナー)は大学を中退させられ、コナーも、シング・ストリート高校という、荒れた公立高校への転校を余儀なくされました。

シング・ストリート 未来へのうた(字幕版) - フェルディア・ウォルシュ=ピーロ, ルーシー・ボイントン, ジャック・レイナー, エイダン・ギレン, マリア・ドイル・ケネディ, ケリー・ソーントン, ベン・キャロラン, マーク・マッケンナ, ジョン・カーニー, ジョン・カーニー
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シング・ストリート高校への登校初日、コナーは校門の前で衝撃的な光景を目の当たりにします。生徒同士が取っ組み合いの喧嘩をし、それを取り囲む野次馬が大声ではしゃいで、それを煽り、中には、煙草をふかしながら、冷めた目でそれを見つめる生徒も何人かいました。コナーはそんな光景を横目で見ながら、黒山の人だかりを掻き分けて、校舎に入っていきました。

シング・ストリート 未来へのうた - サントラ, Score, ジョン・カーニー, グレン・ハンサード, アダム・レヴィーン, カール・パペンファス, ケン・パペンファス, ザモ・リッフマン
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その後、授業が始まっても、生徒たちはやりたい放題でした。教師が淡々と板書している間、ほぼ全員の生徒が、横を向いて静かに煙草を吸うか、文房具の投げ合いをして遊ぶか、プロレスごっこをして遊び、まさに「崩壊」という言葉がしっくりくるような状況でした。しかし、校長のバクスター(ドン・ウィチャリー)が教室に入る時だけはさすがにそうする訳にはいかず、どの生徒も起立して、はきはきとした声で挨拶をするのでした。



放課後、コナーは、札付きのワルとして有名な生徒・バリー(イアン・ケニー)に呼び留められ、「いいものを見せてやる」と、言われて、ガラクタで作ったパチンコを見せられます。バリーは、パチンコに付いている強力なゴムを引っ張りながら、「お前、オカマなのか?」と、コナーに噂の真相を問いただします。「人違いだ。」と、噂を否定するコナーでしたが、バリーはこの一言だけで納得せず、「(オカマである証拠として)踊れ!」と、脅します。コナーは、仕方なく軽くステップを踏みます。すると、バリーは「腕を動かせ」、「ズボンを下ろせ」、「(誰も来ないであろうトイレの)個室で下ろしてから踊れ!」と、要求をエスカレートさせます。しかし、コナーは、一切要求に応じず、バリーは黙ってその場を離れるのでした。



この日の夜7時、ブレンダンとコナーのお気に入りの人気音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」が始まります。2人は、番組が始まった事を知らせるペニーの声に反応し、ロバートや、ブレンダンの妹で、コナーの姉のアン(ケリー・ソーントン)のそばにあるテレビの前まで移動し、ペニーと一緒に番組を見始めます。テレビの画面に映るのは、今を時めく人気若手アーティストたちのミュージック・ビデオ。コナーは、日々の暮らしの中で、大の音楽好きのブレンダンの解説を聞きながら、この番組を観ている時が一番幸せでした。



逆に、コナーにとって一番辛かったのは、シング・ストリート高校の校長・バクスターとの人間関係の悪さでした。その理由は、コナーが履く靴にありました。シング・ストリート高校では、必ず黒い靴を履かなればならないという校則があるのですが、大不況で収入が大きく減ってしまったコナーの両親にとって、コナーのために黒い靴を1足買う事は、最低限の日常生活に使うお金をほとんど使い切ってしまう事になるのです。それでも、バクスターは、特例を認めようとはせず、コナーが黒い靴を買ってもらえるまで、普段履いている茶色の靴を登校時から下校時まで預かる事に決めます。コナーは、校内にいる間、靴下を履いただけの状態で過ごさなければならず、すれ違う生徒たちにじろじろ見られて、屈辱的な思いをします。



さらに、コナーは、ある日、バリーにいきなり指で両目を突かれるという仕返しを受けます。たまたまコナーの斜め後ろにいた生徒・ダーレン(ベン・キャロラン)は、「(バリーの要求通りに)踊れば良かったんだ。」と、アドバイスをします。バリーの悪行ぶりは以前からとても有名で、バリーがコナーにした要求は、全く珍しい事ではなかったのです。



ダーレンと別れた後、コナーは、ロンドンでモデルの仕事をしたいと考えている女性・ラフィーナ(ルーシー・ボイントン)と知り合います。コナーは、ラフィーナの大人びた美しさに一目惚れし、実際にバンドを組んでいないにも関わらず、「僕のバンドのミュージック・ビデオに出ない?」と、つい口走ってしまいます。ラフィーナは、コナーの歌唱力を知りたくて、「a-haの曲を歌って。」と、頼みます。コナーは、a-haの"Take on Me"をアカペラで歌います。歌声を聴いたラフィーナは、ミュージック・ビデオに出演する事を決意。本当にバンドを組む必要に迫られたコナーは、「トップ・オブ・ザ・ポップス」で目にするプロのアーティストたちを驚愕させるようなミュージック・ビデオを制作しようと思い、まだ近くにいたダーレンの元へ向かいます…。



この後、コナーは、ダーレンの紹介で、エイモン(マーク・マッケンナ)という少年と知り合います。このエイモンが暮らす家がまた、凄いんです。カバー・バンドを組み、結婚式で演奏をしている父親が楽器を数多く所有しているのですが、家の中には、エレキギター、ベースギター、ドラムセット、キーボード、アジアやアフリカの民族楽器が大切に保管されていて、エイモンは、それらを全て見事に使いこなすのです。そして、エイモンは、コナーが組むバンドに参加し、ギターと作曲を買って出ます。この映画の序盤は、ロックやポップスのBGMに彩られ、音楽映画らしい空気が流れているのが少しだけわかるのですが、エイモンのとてつもない守備範囲の広さは、この映画をより一層音楽映画らしくしました。



メガホンを取ったのは、「ONCE ダブリンの街角で」(2006年)、「はじまりのうた」(2013年)と、音楽の質の高さで知られるジョン・カーニー監督。若かりし頃にバンド活動を経験しているカーニー監督は、そろそろしっかりとした自伝的な音楽映画を作る時期に来ていると感じ、メガホンを取る決意をしたそうです。カーニー監督は、この映画でも全く期待を裏切っていません。この映画には、コナーたちが演奏するオリジナルの楽曲が何曲か登場しますが、10代の少年たちが生み出す楽曲にしては、完成度が高すぎるような気がしないでもないです。しかし、カーニー監督がこの映画でも持ち前の能力を発揮しているのは、確かです。



コナーを演じたのは、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ。アイルランド全土で半年かけて行われたオーディションで、数千人の応募者の中から選ばれました。ウォルシュ=ピーロは、7歳と12歳の時に、モーツァルトのオペラ「魔笛」にプロキャストとして参加しているのですが、映画への出演は、この時が初めてでした。ダーレンやエイモンと一緒にバンド活動をする時の生き生きとした表情は、もちろん、この映画の注目ポイントですが、靴の色の事やバンド活動の事で、バクスターの無理解に苦しむ姿には、もっと注目していただきたいです。まだ10代のコナーが、バクスターの無理解にいかに苦しみ続け、その結果、どうするのか、最後まで見届けていただきたいです。



この映画の時代設定は1985年ですが、1980年代の文化を目でも耳でも思いっきり味わえるのは、この映画の一番の魅力だと思います。当時の時代の最先端だったラフィーナのメイク、ヘアスタイル、ファッションを目で味わい、デュラン・デュラン、a-ha、ザ・クラッシュ、ザ・ジャムなど、1980年代に若者たちを魅了したアーティストたちの楽曲を耳で味わい、そして、彼らを敬うコナーたちの初々しく、且つ、力作と言えるミュージック・ビデオを目と耳の両方で味わい、1980年代の世界をぜひ楽しんでいただきたいです!あっ、そうそう。物語の後半に、コナーたちによる、完成度の高い、華やかなライヴのシーンがありますよ。しかも、2つあります。どちらも、何度でも観たいくらいに楽しいですよ~!

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