ボビー・ジョーンズ~球聖とよばれた男~(2004年 アメリカ)

ボビー・ジョーンズ ~球聖とよばれた男~ [DVD] - ジム・カヴィーゼル, クレア・フォーラニ, ジェレミー・ノーサム, マルコム・マクダウェル, ローディ・ヘリントン
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1936年、イギリス・スコットランドにあるゴルフの聖地・セントアンドリュース。1920年代に、アマチュアゴルフ界に王者として君臨していたボビー・ジョーンズ(ジム・カヴィーゼル)は、かつて、自身のキャディーを務めていたアンガス(ポール・フリーマン)に会いに、この地を訪れます。ボビーがアンガスの屋敷に到着すると、アンガスをはじめ、老若男女問わず多くの人々が、盛大な拍手でボビーを出迎えてくれました。ボビーは、自分一人のためだけに、こんなにも大勢の人々が集まってくれたのかと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。その後、ボビーは、屋敷の敷地内にあるゴールコースに移動し、早速、第1打を放ちます。

ボビー・ジョーンズ 球聖とよばれた男 (字幕版) - ジェームズ・カヴィーゼル, クレア・フォーラニ, ジェレミー・ノーサム, マルコム・マクドウェル, Rowdy Herrington, Kim Dawson, Tim Moore, John Shepherd
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ボビー(デヴォン・ギアハート)は、アメリカ・ジョージア州で生まれ育ちました。ボビーは、幼い頃からゴルフが大好きでした。当然、大人たちのように豪快なショットを打つ事はできず、家の窓にボールが当たりそうになると、メイドのカミーラに叱られましたが、それでも、ボビーはゴルフが大好きでした。母親のクララ(コニー・レイ)は、よくボビーの体重を測っていました。大事な息子の体重が増えてしまうのが、心配だったのです。クララの心配事は、それだけではありません。ボビーは、病弱で、食も細く、アレルギー体質でした。ゴルフはボビーにとって大切な体力づくりの場だと、クララは心から信じていました。また、父親のビッグ・ボブ(ブレット・ライス)は、弁護士として働いていました。ビッグ・ボブはいつも温厚で、クララと同様に、ゴルフはボビーの健康のために良いと考えていました。ボビーは、そんなビッグ・ボブが大好きでした。

マスターズを創った男―球聖ボビー・ジョーンズ物語 (広済堂ゴルフライブラリー) - 杉山 通敬
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そんなボビーの憧れのゴルフプレーヤーは、スチュアート・メイデンでした。ある日、そのスチュアートが、ゴルフをプレーするために、ボビーの屋敷を訪れます。スチュアートは、ボビーや両親たちの前で、早速、ショットを披露します。スチュアートの打ったボールは、はるか遠くまで美しい放物線を描き、ボビーは、子供心に圧倒されます。その頃、ボビーの父方の祖父であるロバート・シニアも、ボビーの屋敷を訪れます。しばらくの間、ロバート・シニアがボビーたちの帰りを待っていると、ボビーが両親と一緒に帰ってきます。ロバート・シニアは、ボビーの身体的な成長を喜びますが、ボビーにゴルフをさせる事は、まだまだ時期尚早だと思い込んでいました。

ボビー・ジョーンズ ゴルフの神髄 - ボビー ジョーンズ, マシュー,シドニー, Jones,Bobby, Matthew,Sidney L., 俊一, 前田
ボビー・ジョーンズ ゴルフの神髄 - ボビー ジョーンズ, マシュー,シドニー, Jones,Bobby, Matthew,Sidney L., 俊一, 前田

翌朝も、ボビーは、両親たちと一緒に、ゴルフコースへ行きました。この日は、なんと、ボビーにショットのチャンスが訪れます。もちろん、この日も、ボビーは、大人たちのような豪快なショットはできませんでしたが、態度は堂々としていました。その後、ボビーは、学校をサボって、幼馴染みの少女・アレクサと一緒に、全英オープン王者のハリー・バードン(エイダン・クイン)のプレーを観に、とあるゴルフコースへ出掛けます。ボビーは、噂に聞いていたハリーの見事なショットを見る事ができ、大感激するのでした。

ボビー・ジョーンズ 続・ゴルフの神髄 - ボビー・ジョーンズ, シドニー・マシュー, 前田俊一
ボビー・ジョーンズ 続・ゴルフの神髄 - ボビー・ジョーンズ, シドニー・マシュー, 前田俊一

数年後、ボビー(バッバ・ルイス)は、日々の努力のおかげで、ゴルフの腕前がめきめきと上達し、大人たちに交じって、ジョージア州アマチュア選手権に出場します。ラジオ局の記者のO.B.キーラ―(マルコム・マクダウェル)をはじめとする一部の大人の心配をよそに、ボビーは日々の努力の成果を発揮し、見事に優勝。全米アマチュア選手権への出場も、夢ではありませんでした。ある日、ボビーは、前アマチュア王者のイーベン・バイヤーズと対戦します。前王者の貫禄はボビーにとって相当なもので、ボビーは、緊張で体が固まってしまいます。一方、イーベンも、時折調子を崩し、両者は互角の状態が続きます。しかし、ボビーは、少しずつ力を発揮し、結局、勝利を収めます。さらに、ボビーは、ロバート・ガードナーとも対戦。今度は敗れてしまいましたが、ゴルフコースを歩く足取りは、王者のように軽やかでした。



さらに数年後、ボビー(ジム・カヴィーゼル)は、ゴルフをずっと続けていましたが、無冠のままでいました。ある日、試合に出場したボビーは、ショットが上手く行かず、ギャラリーに向かって、クラブを全力で投げ付けます。ボビーの幼なじみで、この時は既にアマチュア王者となっていたアレクサは、その様子を目撃し、ボビーに態度を改めるよう、たしなめます。ボビーは、どうにか落ち着きを取り戻し、自身の打ったボールが見事にグリーンの上に乗ります。ボビーは、思わず安堵の表情を浮かべます。



ある日、全米オープン王者のウォルター卿(ジェレミー・ノーサム)が、ボビーとの対戦のため、オープンカーの後部座席に乗って、とあるゴルフコースに、タキシード姿で現れます。多弁で、好き勝手に生きている事で有名なウォルター卿は、目的地に着いても、髪形を整えたり、ウィスキーをクイッと飲んだりして、なかなかオープンカーを降りようとしませんでしたが、しばらくすると、ようやくオープンカーを降ります。



こうして、ウォルター卿とボビーの対戦が始まりました。ウォルター卿は、寝起きにもかかわらず、余裕たっぷりの様子でボールを打っていきます。逆に、ボビーは、ウォルター卿のように上手く行かず、怒りを露わにします。ボビーは、気が付けば54打に達していました。勿論、この対戦は、ウォルター卿が勝利を収めました。対戦後、ウォルター卿は、ボビーに声を掛けます。ボビーに、天性の才能を活かして、プロとして活躍してほしかったのです。しかし、ボビーは、プロに転向するつもりはなく、秋にジョージア工科大学に進学する予定でした。ウォルター卿は、ボビーのまさかの返事に、がっかりします。



数日後、ボビーは、ダイナーで食事をしていた時に、一人の若い女性・メリー(クレア・フォーラニ)に一目惚れします。やがて、2人は相思相愛の中になり、電話で連絡を取り合うようになります。やがて、2人の仲は、メリーの父親の知るところとなるのですが、父親は、娘の交際相手がボビー・ジョーンズという有名人である事に驚きます。しかし、この頃のボビーは、相変わらず試合で結果を出せず、1つの試合の期間中に6キロ近くも痩せて、試合云々以前に、自己管理が全くできていませんでした。交際を始めた頃は、ボビーが有名人である事をあまり気にしていなかったメリーでしたが、ある日、2人でバーに出掛けた時に、ボビーがおいしそうにビールを飲む姿や、ボビーがたくさんの仲間に声をかけられるのを見て、プレッシャーを感じてしまいます。ボビーは、そんな彼女を心配します。



1921年、ボビーは、全英オープンに出場します。この年に開催された全英オープンには、ボビーにとって、子どもの頃からの憧れだった選手の一人であるハリー・バードンも、出場していました。ボビーは、バードンと対戦する機会に恵まれたが、残念ながら敗れてしまいました。その頃、ボビーの祖父ロバート・シニアと父親のビッグ・ボブは、ボビーの将来について言い争いをしていました。ロバート・シニアは、「ボビーにはビジネスの才能があるのに、ゴルフでそれをすり減らしていて、勿体ない。」と、考えていました。ビッグ・ボブは、それに反論します。「ボビーはもう大人なのだから、自分の幸せとは何なのか、すでに自分でよく分かっているのだ。」と。



まさか、自分の生き方について、そんな言い争いが繰り広げられているとは知る由もなかったボビーは、まだこの試合で、勝利を挙げられず、もがいていました。アンガスは、ボビーにゴルフのやり方を変える必要性を説きますが、ボビーは「(上手くいかないのは、)コースが荒れ地だからだ。」と、イライラを募らせ、なんと、試合を放棄しようとします。アンガスは、「放棄するより、負けた方がマシだ。」と、公の場にも関わらず、ボビーを叱りつけます。しかし、ボビーは、全く耳を貸さず、試合を放棄してしまいました。その事実を知ったバードンは、ボビーの元を訪ね、今回のコースが難所である事、そして、ボビーの才能の高さを改めて認めた上で、何があってもボールを打ち続けるよう、注意するのでした。



しかし、ボビーの欠点は、そう簡単には治りませんでした。翌日、試合に出場したボビーは、打ったボールが池に落ちてしまい、怒りを爆発させて、またしてもクラブをギャラリーに向かって投げ付けます。しかも、この時は、クラブがギャラリーにいた女性の足に当たってしまいました。ボビーは、ふと我に帰って、謝罪します。女性は、「気にしなくていいのよ。」と、大人の対応をしましたが、全米ゴルフ協会のウォーカー理事は、事態を重く見て、ボビーの自制心が身に付くまで、大会への出場を禁止する処分を下します。ビッグ・ボブは、事の重大さを考え、ボビーに大人になってほしいと願います。しかし、ボビーは、数週間前から左足が静脈瘤で腫れていました。この後、ボビーは入院生活を余儀なくされます。ボビーは、入院したのを機に自分自身を見つめ直し、ウォーカー理事に謝罪文を送ります。



1923年、ボビーはジョージア工科大学を卒業し、全米オープンに出場します。しかし、ボビーの調子は相変わらず今一つで、決勝のプレーオフに可能性をかける事になりました。そんな時、ボビーの元に電報が届きます。電報を送ったのは、意外な事に祖父のロバート・シニアでした。「球をまっすぐ飛ばし、的確にパットしろ。」ロバート・シニアのアドバイスは実にシンプルでしたが、シンプルだからこそ、ボビーの心に大きく響くものがありました。プレーオフ当日、ロバート・シニアからの電報、そして、応援に駆けつけたスチュアートのおかげで、ボビーは、まるで長きにわたる不調が嘘であるかのように、快調にボールを飛ばしていき、そして、ついに優勝を果たします。優勝を知ったロバート・シニアは、この時、会社で会議に出席していましたが、思わず飛び上がって、喜びを爆発させます。



その後、ボビーは、メリーとめでたく結婚します。生涯の伴侶を得たボビーは、試合に出場しては好成績を残し、やがて、豪邸も手に入れ、娘も誕生しました。しかし、そんな幸せの絶頂にいたボビーに、異変が起こります。ある日、試合に出場していたボビーは、いつもと変わらぬ様子でボールを打ちます。しかし、きちんと打ったはずのボールは、ボビーの足元から全く動いていませんでした。試合の関係者たちは、会場にいたウォーカー理事や他の審判、そして、ギャラリーにも確認しますが、やはり、誰もボールが動くのを見ていませんでした。ボビーは、…。



この映画は、実話です。ここで、ボビー・ジョーンズの生涯について、少し触れたいと思います。上記のあらすじにもある通り、ボビー・ジョーンズは、1920年代に、アマチュアゴルフ界に王者として君臨していました。ボビーは、幼い頃からゴルフの腕を磨いてきましたが、ゴルフで大金を稼げるプロゴルファーにはならず、あくまでアマチュアゴルファーであり続ける道を選んだのです。ボビーの生き方を観ていると、人間は、かなり無理してでも頑張るのではなく、自分にできる事をするのが大事なのだと考えさせられます。また、ボビーは、アマチュアゴルファーとして活躍しただけでなく、オーガスタ・ナショナルGCと、かの有名なゴルフトーナメントであるマスターズを創設しています。やがて、第二次世界大戦が始まると、ボビーは空軍に入隊し、オーガスタを、なんと、軍専用の放牧場として提供します。しかし、後年になると、激痛を伴う脊髄の病である脊髄空洞症と診断され、まさに、激痛との闘いの日々を送ります。そして、1971年12月18日、ボビーは、自宅で睡眠中に亡くなりました。69歳でした。



さて、話をこの映画の内容の方に戻しましょう。メガホンを取ったのは、ローディー・ヘリントン監督。へリントン監督は、この映画の他に、「ロードハウス/孤独の街」(1989年)、「ファイティング・キッズ」(1991年)、「スリー・リバーズ」(1993年)などを手掛けています。この映画の一番の見どころは、ゴルフの試合のシーン。どこまでも広がる鮮やかなグリーンのコース、ボビーをはじめとする選手たちの気品あるファッション、ボールを打つ音の気持ち良さ、ギャラリーの拍手の音、どれもが心地良かったです。また、子どもの頃からゴルフを愛し、腕を磨いてきたボビーが、アマチュアゴルファーとして、故郷からのプレッシャーと闘う姿も、見どころです。天才肌のアスリートも、努力型のアスリートも、誰もが味わうであろうプレッシャーの大きさには、観ていて、胸が苦しくなりました。



この後、物語の後半で、ボビーは、アマチュアゴルファーとして、数々の試合でトロフィーを手にしていき、プライベートでは、息子も誕生し、大学で法律を学んで、弁護士資格を取得します。しかし、ボビーが次第に神経をすり減らしていく姿に、妻・メリーは耐えられなくなっていきます。そんな中、ボビーは、全英オープン、全米オープン、全英アマチュア、全米アマチュアの4大メジャー制覇を宿命と考え、それを達成したら、引退しようと考えるようになります。ボビーにとって、人生で最も厳しい闘いが始まろうとしていました。皆さんもぜひ、この映画をご覧になって、ボビーの人生最大の闘いを見届けてはいかがでしょうか?

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