僕が星になるまえに(2010年 イギリス)

ベネディクト・カンバーバッチ 僕が星になるまえに [DVD] - ベネディクト・カンバーバッチ, JJ・フィールド, トム・バーク, アダム・ロバートソン, ハッティー・ダルトン, ヴォーン・シヴェル, ベネディクト・カンバーバッチ
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ジェームズ・キンバリー・グリフィス(ベネディクト・カンバーバッチ)は、29歳になりました。しかし、既にガンが末期まで進行している彼は、30歳になる事ができません。ジェームズは、それでいいと思っていましたが、周囲から憐みの目で見られるのは、非常に辛いと感じていました。そんなジェームズの世話をしてくれるのは、親友のデイヴィー(トム・バーク)。デイヴィーは、広告会社のトップでしたが、失業を機に、ジェームズの世話をするようになっていました。

僕が星になるまえに(字幕版) - トム・バーク, ベネディクト・カンバーバッチ, アダム・ロバートソン, ---
僕が星になるまえに(字幕版) - トム・バーク, ベネディクト・カンバーバッチ, アダム・ロバートソン, ---

ジェームズには、父(ルパート・フレイザー)、母、姉・クロエ(ニア・ロバーツ)がいます。両親は、いつも気丈に振る舞っていますが、本当は、きっと自分たちの最愛の息子よりもずっと、辛いはずです。また、クロエには、娘たちがいるのですが、ジェームズは、クロエに娘たちがいて良かったと思っています。もし、娘たちが生まれていなかったら、クロエは、ジェームズの姿を見て、もっと深く悲しんでいた事でしょう。ジェームズは、姉のそんな姿を見たくなかったのです。



ある日、ジェームズは、死期が近い自分を憐みの目で見る人々から逃れるため、1台の車に乗って、旅に出ます。ジェームズに同行するのは、デイヴィー、ビル(アダム・ロバートソン)、マイルズ(JJ・フィールド)の3人の親友です。目的地は、ウェールズのバラファンドル湾。ジェームズの大好きな場所です。ビルは、この旅に参加する事が決まって以来、浮かれていました。恋人とテレビの仕事から逃れられるからです。ビルは、種から育ててきた木を、わざわざこの旅のために持ってきました。ビルは、この木を植える場所を既に決めていました。また、ジェームズは、しばらくの間、マイルズと連絡を取っていませんでしたが、こうして、久々にマイルズと再会する事ができました。マイルズは、16歳の時に、作家だった父親をガンで亡くしました。ジェームズも、マイルズも、作家に憧れていましたが、マイルズは重圧と闘い、ジェームズは時間と闘ってきました。



その後、一行は、バラファンドル湾へ向かう途中で、とある海辺に立ち寄ります。ビルが持参した木を植える場所を探したり、皆でビスケットを紅茶に浸して食べたり、夜になると、大きな炎を皆で囲んで、たわいもない話をしたりと、4人は、ただのんびりと時間を過ごします。しかし、翌日、屋外で開かれていたパーティーに飛び入り参加した一行は、トラブルに巻き込まれます。マイルズが、大事なロレックスの腕時計を、何ともずる賢い少年(エロス・ヴラホス)に盗まれた上に、海に投げ捨てられてしまったのです。



さらに、追い打ちをかけるように、今度は、ビルが、パーティーに参加していた見知らぬ男性と殴り合いの喧嘩をし始めてしまいます。途中で、マイルズが仲裁に入り、さらに、我楽多でできた、手作りの車椅子に乗っていたジェームズも、それに加わろうとしますが、隣にいたデイヴィーに止められます。しかし、ジェームズは、どうしても諦められず、結局、デイヴィーを説得して、一緒に突入します。殴りかかってくる他の男性たちに、持っていた杖で応戦するジェームズ。しかし、デイヴィーは、相手がジェームズに対して全く手加減しようとしないのを黙って見ていられなくなり、「彼は、よせ。ガンだ。ガン患者を殴るな。」と、叫ぶのでした。



翌日、一行は、フェリーに乗って、対岸にある岩場までキャンプをしに出掛けます。しかし、岩場について早々に、ジェームズは、疲れが原因で、立てなくなってしまいます。その様子に気付いたデイヴィーは、ジェームズの頼みで、持参していた薬をカバンから取り出します。そして、ジェームズは、デイヴィーにこう言います。「2人には、言うな。」と。



翌朝、ジェームズは、突然、デイヴィーの歩んできた道のりを罵り始めます。実は、デイヴィーには、広告会社のトップだった時代に、ある夢がありました。それは、環境保護の番組を作る事だったのですが、実際には、自身のローンを返済するためにくだらない番組ばかりを作り、プライベートでは、7年前に、特に好きでもないアビーと結婚し、デイヴィーの半生は、まるで、水で薄めた紅茶のようでした。ビルとマイルズはデイヴィーに味方し、デイヴィーもジェームズに反論します。しかし、この時、ジェームズは体調が優れませんでした。ジェームズは、相手の話を聞けるだけの集中力がなく、しばらく咳き込んだ末に、嘔吐してしまうのです。



その後、幸いな事に、ジェームズの体調はすぐに回復し、一行は旅を再開します。茶色のダース・ベーダ―のフィギュアを探しているという中年男性(ヒュー・ボネヴィル)と出会ったり、野生の馬が何頭かいる草原に侵入し、馬たちが戸惑い、走っていく中を、ワイワイはしゃぎながら走り抜けたり、夜には打ち上げ花火を楽しむも、花火の炎が自分たちのテントに引火したりと、様々な出来事がありました。しかし、ジェームズは、どんなに旅を楽しんでも、死を恐れる気持ちが消える事はありませんでした…。



メガホンを取ったのは、ハッティー・ダルトン監督。ダルトン監督は、この映画で長編映画監督としてデビューを果たしました。この映画で、印象に残ったのは、4人全員が旅を思う存分楽しんでいる姿でした。この旅は、死期が近いジェームズの人生最後の思い出作りのためのものなのですが、常に、全員が、冗談を言い合い、大声ではしゃぎながら草原や岩場を駆け抜け、屋外パーティーで喧嘩が起こっていたら迷わず飛び込み、どれも、少々やり過ぎな感じが否めませんが、完璧に童心に帰っていました。想像していたより、湿っぽくない雰囲気がずっと続くので、(観ている私の)気が重くならないのが良いなあと思って、観ていました。



しかし、時間が経つにつれて、ジェームズの心の内が見えてきます。ジェームズ役のベネディクト・カンバーバッチは、この映画で初めて主演を務めたのですが、ジェームズが死を恐れる時の心の繊細さを見事に表現していました。人生でやりたい事がまだまだたくさんあるのに、なぜ自分だけがこうならなければならないのか?他の3人の無意味な人生と引き換えに、もっと生きたい。切実さがたっぷり込められたカンバーバッチのお芝居に、胸を締め付けられました。もっと生きたいと願うジェームズ。彼は、旅の終わりにどんな結論を出すのでしょうか?

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