俳優は俳優だ(2013年 韓国)

俳優は俳優だ <ノーカット完全版> [DVD] - イジュン, ヤン・ドングン, ソ・ヨンヒ, キム・ヒョンジュン, シン・ヨンシク
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「おい、あんた。お高くとまるなよ」とある大きなホールの出入口の前に、1体のロングヘアの少女の姿をしたマネキンを置き、至近距離から話し掛けている青年の名は、オ・ヨン(イ・ジュン)。その場に居合わせた人たちは皆、ヨンの口から突然発せられた声に驚き、ヨンの方に視線を傾けます。ホールの職員たちは、ヨンが迷惑行為をしていると思い、ヨンをホールから遠ざけます。ヨンは「何でもないのに。」と、思いながらも、職員たちに両脇を抱えられたまま、ホールを離れようとします。しかし、その途中、ヨンは、職員たちの腕を振り払い、ホールのガラス扉へと走っていきます。ヨンは泣きながら叫びます。「俺が悪かった。どうかしてた。」一体、彼は、何の目的でこのホールを訪れたのでしょうか?

俳優は俳優だ(字幕版) - イ・ジュン, ソ・ヨンヒ, マ・ドンソク, キム・ヒョンジュン, シン・ヨンシク, キム・ギドク
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ヨンは、かつて、映画スターとして一世を風靡していました。しかし、ヨンは、映画スターになった後も、実力不足が否めず、役作りで悩む日々が続いていました。ある日、ヨンは、出演した舞台で、女性アイドル・ソヨン(ソイ)演じる、浮気をしてしまった恋人を、激しい口調で問い詰める演技に挑みました。しかし、ヨンは、感情を表現する手段として、彼女を平手打ちしたり、ナイフで脅したりして、彼女に精神的なショックを与えてしまいます。この舞台の演出家は、「演技はソロじゃない。合奏なんだよ。」と、ヨンに、ソヨンへの思いやりのなさを指摘します。しかし、ヨンは、自身に何の落ち度もない事を主張するばかり。「お前なんか、道端でマネキンと演じてろ!」演出家は、ヨンを降板させ、ソヨンも、精神的に限界を感じ、自ら降板します。



また、ヨンは、映画の撮影でも、自身の演技力を過信し、しばしば周囲を困らせていました。ある日、ある映画に端役で出演したヨンは、河原で映画の撮影に臨んでいました。この日は、映画スターのカン・ビン(ヤン・ドングン)演じる主人公が馬乗りになって、ヨン演じる青年を延々と殴り続けるシーンの撮影が行われたのですが、ヨンは、いつもの癖でアドリブをたくさん入れ過ぎてしまいました。ビンは、ヨンの身勝手な行動のせいで、すっかりやる気をなくしてしまいました。しかし、ヨンのせいで撮影を止める訳にはいかず、ビンと監督とで相談した結果、ヨンの台詞が全て削られてしまいました。



そんなある日、ヨンは、スーツ姿の若い男性・キム(キョン・ソンファン)に声を掛けられます。キムは、カン・ビンが、演技力ゼロにも関わらず、お高く留まるようになったのが気に入らない事、以前にヨンが出演した舞台の感想などを一方的に話します。キムは、ヨンの演技について、「メチャクチャだな。」と、評価します。相手役の台詞を無視し、自身の動きも雑、でも、妙に魅力があるというのです。キムは、自身の連絡先を知らせますが、ヨンはキムからの誘いをきっぱりと断ります。「いりません。演技で勝負します。」そんな時、降板させられた舞台の演出家から、ヨンの携帯電話に連絡が入ります。ヨンは、すぐに演出家の元に向かいます。



ヨンが演出家の元に到着すると、演出家は、オ・ヨニ(ソ・ヨンヒ)がソヨンの代役を務める事を打ち明けます。ヨニは、以前に、同じ舞台で同じ役を演じた事があり、即戦力として期待されたのです。一方、ヨンの代役はまだ決まっていませんでした。ヨンは、汚名を返上すべく、再び同じ役に名乗りを上げます。演出家は、再びトラブルが起こるのではないかと不安になりますが、結局、ヨンの出演を決めます。



その後、ヨンが外に出ると、ヨンに声を掛けたあのキムが待ち伏せしていました。キムは、ヨニの噂をよく知っていました。実は、ヨニは、かつて演技派の映画スターとして活躍していましたが、スキャンダルを起こした事がきっかけで、一気に落ちぶれてしまったのです。キムは、ヨニが落ちぶれた原因を、もともと彼女にマネージャーがおらず、彼女を守ってくれる人間がいなかったからだと指摘。最初は丁寧語を使っていたキムでしたが、時間が経つにつれて、タメ口を話すようになります。キムの慣れ慣れしくなっていくさまに、気味の悪さを覚えるヨン。さらに、キムは、「生意気さも魅力だ。」と、ヨンを改めて評価すると、ずっと言いたかった言葉を遂に発します。「俺と組もう。」ヨンは、とうとうキムとタッグを組む決意をします。



その後も、ヨンの生意気ぶりは留まるところを知らず、ある日、とんでもないトラブルが起こります。舞台に出演したヨンが、あの彼女に浮気を問い詰めるシーンで、彼女を演じるヨニの首を容赦なく締め付け、呼吸困難寸前の状態まで追い詰めてしまったのです。終演後、ヨンは、演出家に「彼女を殺す気か?」と、楽屋で怒鳴られ、劇場の外では、ヨニに、「最低ね!5年ぶりの舞台だったのに!!」と、怒りをぶつけられます。しかし、演出家の怒りも、ヨニの怒りも、ヨンの心に全く響きませんでした。



ある日、ヨンは、端役で出演していた映画の出番が大幅に増えました。実は、キムが、裏で根回しをして、ヨンの出演シーンを、なんと、10シーンも増やしたのです。キムは、ヨンの出演シーンをさらに増やし、ヨンの役が端役から助演に昇格するという内容が書かれた書類にサインするよう迫ります。キムがここまでするのは、もちろん、主演のカン・ビンや監督の鼻を明かすため。ヨンは、キムの求めに応じ、サインをします。これがきっかけで、ヨンは、一躍注目の的となりますが、キムの手によって、華やかな芸能界の闇に引きずり込まれ、次第に人格が崩壊していくのです…。



キムの手によって、芸能界の中で高いポジションに上り詰めたかのように思われたヨン。しかし、彼に回ってくる役柄は、普段、監督や共演者などに見せる生意気な態度を活かした、バイオレンス映画の悪役ばかりでした。どの役も、相手を怒鳴り、殴り、蹴るという、お決まりのパターン。ヨンは、次第に嫌気がさしてくるのですが、キムとヨンの間には、いつの間にか、主従関係が出来上がっており、ヨンがキムに要望を通す事が困難になっていました。ヨンは、このような状況下でキムと縁を切ろうとしますが、その先に待ち構えていたのは、世間を震撼させるスキャンダルでした。



メガホンを取ったのは、シン・ヨンシク監督。「不器用なふたりの恋」(2009年)で、知られています。製作・脚本は、キム・ギドク。「悲夢」(2008年)、「嘆きのピエタ」(2012年)で知られる監督で、「嘆きのピエタ」は、2012年に、第69回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞しました。



この映画は、真っ暗な場所でのシーンが続くせいなのか、最初は物語を理解するのに時間を要しますが、次第に、一人の若者の栄光と転落の物語である事が分かってきます。栄光と転落の物語は、映画やドラマでよくあるパターンですが、芸能界の数多くの悪い誘惑により、主人公・ヨンが転落していくさまに、知らず知らずのうちに引き込まれました。ヨンを演じたイ・ジュンの、体当たり演技の力のおかげだと思います。もし、ご興味があれば、ぜひご覧いただきたいと思います。

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