スウィート17モンスター(2016年 アメリカ)

スウィート17モンスター [AmazonDVDコレクション] - ヘイリー・スタインフェルド, ウディ・ハレルソン, キーラ・セジウィック, ヘイリー・ルー・リチャードソン, ブレイク・ジェナー, ヘイデン・セットー, アレクサンダー・カルヴァート, ケリー・フレモン・クレイグ
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17歳の高校生・ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)が、何か思い詰めた表情で、校内を早足で歩いています。向かった先は、いつも授業を受けている教室。ネイディーンは、黒板の前の席に座っている男性教師・ブルーナー(ウディ・ハレルソン)に向かって、「手短に済ませるわね。」と、前置きした上で、こう告げました。「これから、自殺する。」本人曰く、たぶん、陸橋から飛び降りて、トラックに轢かれる。もし、バスに轢かれたら、乗客が見物するから、駄目だと。ネイディーンは、自殺願望はあるのですが、だからといって、瀕死の状態でいるところを誰にも見られたくないのです。ネイディーンは、もし、即死できなければ、(搬送先の病院で)看護師に首を絞めてもらうつもりでいました。ネイディーンが、誰でもいいから、とにかく伝えておきたかった事を、全てブルーナーに伝えると、ブルーナーは、実は自身も遺書を書いた事があると打ち明けます。ネイディーンは、予想外の反応に、思わず口をあんぐりとさせてしまいます。

スウィート17モンスター [Blu-ray] - ヘイリー・スタインフェルド, ウディ・ハレルソン, キーラ・セジウィック, ヘイリー・ルー・リチャードソン, ブレイク・ジェナー, ヘイデン・セットー, ケリー・フレモン・クレイグ
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ネイディーンは、小学2年生の時に、ある事に気付いていました。この世に、人は2種類いる。自信に満ちて、世渡り上手な連中と、そんな連中の滅亡を願う人たちだと。ネイディーンの兄・ダリアン(ブレイク・ジェナー)は、生まれつきの勝ち組。母・モナ(キーラ・セジウィック)のお気に入りです。一方、ネイディーンは、そんな勝ち組の兄と同じ小学校に通う事が苦痛でした。父・トム(エリック・キーンリーサイド)とモナは、ネイディーンが日々感じる苦痛に理解を示そうとはしませんでした。特に、モナの無理解はひどいものでした。トムとモナは、毎朝、ダリアンとネイディーンを車で小学校の前まで送り届けていました。モナがハンドルを握り、トムは助手席に座っていました。ダリアンがすんなりと車を降りて、友達の元へ駆けていくのに対し、ネイディーンは、車を降りるどころか、シートベルトを外そうとしませんでした。トムは、ネイディーンを根気強く見守ってくれましたが、モナは、力尽くでネイディーンを車から降ろそうとしました。ネイディーンは、この頃から既に、モナとは険悪な仲でしたが、トムの事はとても尊敬していました。

スウィート17モンスター (吹替版) - ウディ・ハレルソン, ヘイリー・スタインフェルド, ヘイリー・ルー・リチャードソン, キーラ・セジウィック, ブレイク・ジェナー, ヘイデン・セットー, Kelly Fremon Craig, James L. Brooks, Julie Ansell, Richard Sakai
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小学校時代のネイディーンは、いつも一人でランチを食べていました。ネイディーンは、ランチの時間になると必ず、女子の3人組に意地悪をされていました。自分が食べるランチを運んでいる時に、背後から突き飛ばされ、「嫌われっ子。」、「あんたって、ダサいよね。」と、馬鹿にされたのです。ネイディーンは、自分の人生を「ゴミ溜めみたい」と、評していました。しかし、いじめられる事で溜まるストレスを発散させたいという気力はかろうじて残っていました。ネイディーンは、あまりのストレスで我慢の限界を感じると、小学校にある金網でできたフェンスを木の棒で力いっぱい叩いていました。

スウィート17モンスター (字幕版) - ウディ・ハレルソン, ヘイリー・スタインフェルド, ヘイリー・ルー・リチャードソン, キーラ・セジウィック, ブレイク・ジェナー, ヘイデン・セットー, Kelly Fremon Craig, James L. Brooks, Julie Ansell, Richard Sakai
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そんなある日、ネイディーンは、ある同級生と出会います。彼女の名は、クリスタ(ヘイリー・ルー・リチャードソン)。後に、ネイディーンにとって、たった一人の親友となる少女です。ネイディーンは、年寄り臭い服に身を包み、お菓子の匂いがするクリスタに、親近感を覚え、仲良くなっていきます。ある日、ネイディーンは、クリスタを家に招き、色々な事を笑いながら語り合います。トムは、2人の実に楽しそうな姿を目にして、心から安心します。



ところが、ネイディーンが13歳になると、最悪な次元の不幸が次々とネイディーンに襲い掛かります。まず、雑誌に一人のイケメンモデルの写真が載っているのを見て、同じヘアスタイルに挑戦したのですが、なんと大失敗!そんな時、クリスタは、「また、(髪を)伸ばせばいいわ。」と、ネイディーンを励ましてくれました。しかし、その頃、イケメンのナルシストに成長していた兄・ダリアンは、クリスタとは正反対に、ネイディーンを励ますという発想がありませんでした。とにかく、ネイディーンが、神様の存在を疑ってしまう程、大きなショックから立ち直る事ができなかったのは、確かでした。



トムも、勿論、ネイディーンを元気づけてくれました。トムは、ネイディーンをファーストフード店に連れて行き、チーズバーガーとポテトを買ってくれました。ファーストフード店から家に戻る途中、トムはラジオをつけてくれました。ネイディーンは、トムのおかげで、次第に笑顔を取り戻していきました。しかし、その途中、トムは、突然、意識を失ってしまいます。トムが運転していた車は、前の車の後部にぶつかり、どうにか止まる事ができました。ネイディーンは、トムの名を呼びますが、当然、返事はありません。ネイディーンは、車を降り、大急ぎで誰か助けてくれそうな人を探しに行きました。しかし、トムの命は、助かりませんでした。モナが受けたショックは相当大きく、いつまでも涙が止まりませんでした。ネイディーンは、トムを亡くして以来、最悪の日々を過ごしましたが、その間、メンタル面に関しては、クリスタにずっと助けられていました。



4年後、ネイディーンは、17歳の高校生になっていました。ネイディーンは、17歳になっても、まだキスをした事がなく、恋に憧れるだけのイケてない日々を過ごしていましたが、クリスタとの友情は厚いままでした。一方、モナは、夫を亡くしたショックを乗り越え、出会い系サイトを通じて、歯科医のブレントと知り合い、一緒に週末旅行に出掛けるほどの仲になっていました。ダリアンは、ますますイケメンぶりに磨きがかかっていましたが、大学への進学を控えている立場であるにも関わらず、家に大勢の友達を呼び、アルコールを飲みながら騒いでいました。



そんなネイディーンの身に、またしても最悪の不幸が襲い掛かります。なんと、クリスタがダリアンと一夜を共にしてしまったのです。ある金曜日の午後、クリスタは、ネイディーンの家に遊びに来ていました。しかし、夜になってから、ネイディーンが吐き気を感じて、トイレに駆け込み、クリスタは、ネイディーンを助けに行きました。クリスタがネイディーンを助けているうちに夜は更けていき、クリスタは、結局、そのままネイディーンの家に泊まります。翌朝、いつの間にか眠ってしまったネイディーンは、目を覚まし、半ば寝ぼけた状態で、たまたまダリアンの部屋の前を通りかかります。



すると、ネイディーンは、見てはいけないものを見てしまいます。なんと、ベッドの上で、クリスタがダリアンの首筋に大胆にキスをしていたのです。ネイディーンの眠気が一気に吹き飛んだのは、言うまでもありません。ダリアンは、すぐにネイディーンの気配に気付き、必死の形相で彼女を遠ざけます。一方、クリスタは、ネイディーンにどう弁解したらいいのか分からず、平謝りするばかりでした。しかし、ネイディーンは、クリスタと縁を切ろうとは思いませんでした。なぜなら、ダリアンの女癖の悪さをよく理解していたからです。ネイディーンは、「クリスタは、全然悪くない。どうせ、ダリアンが強引にベッドに誘ったに決まっている。」と、考えているのです。ネイディーンは、ダリアンに向かって一喝し、学校へ向かったのでした。



これで、問題は一件落着かに思われました。ところが、実際は、ネイディーンの気持ちが晴れる事は全くありませんでした。ネイディーンは、ダリアンにも、クリスタにも、恨みを抱き続けるだけの日々を送っていたのです。そんなある日、ネイディーンは、クリスタにパーティーに誘われます。クリスタは、もちろん、ダリアンと一緒に行くつもりでした。ネイディーンは、2人のおまけのような気がして、とても行く気になれませんでしたが、結局、誘いに乗ってしまいます。パーティー当日、ダリアン、クリスタ、ネイディーンの3人は、会場を訪れます。しかし、ネイディーンだけは、会場のトイレで気合いを入れなければならない程、気分が乗らず、結局、パーティーの途中で、モナに車で迎えに来てもらい、他の2人よりも先に会場を後にします。



そんなネイディーンの傷付いた心を癒したのは、同級生のアーウィン(ヘイデン・ゼトー)でした。ネイディーンとアーウィンは、その日の夜、移動遊園地へ遊びに出掛けます。2人は、着いて早々に、観覧車に乗ります。その途中、アーウィンは、突然、ネイディーンを異性として意識し、キスを迫りますが、ネイディーンは、突然の展開に驚き、それを拒みます。その後、2人はすぐに観覧車を降りたくなって、アーウィンは、慌てて観覧車を止めようとします。しかし、当然ながら、そんな事はできるはずがなく、ネイディーンは、アーウィンの姿に思わず笑ってしまうのでした。



パーティーの翌日、ネイディーンは学校のロッカーでクリスタに会います。ネイディーンは、心にずっと秘めていた本音をクリスタに打ち明けます。ダリアンは女癖が悪いから、クリスタも、他の女性たちと同じように、いつかはダリアンに捨てられてしまうのではないかと。しかし、クリスタは、「正式にダリアンと付き合っている。」と、ネイディーンの心配を全く気にしていませんでした。ネイディーンは、クリスタの言葉を信じようとはせず、自身とダリアンのどちらかを選ぶよう迫り、しかも、クリスタに考える時間を全く与えず、自身を選ぶ事を強制します。しかし、クリスタは、当然、それを受け入れられませんでした。ネイディーンは、絶望感を抱き、そして、ある重大な決意をするのです…。



メガホンを取ったのは、ジェリー・フレモン・クレイグ監督。この映画が監督デビュー作で、脚本も手掛けています。クレイグ監督は、この映画で、第82回ニューヨーク映画批評家協会賞初監督作品賞を受賞しました。主人公のネイディーンを演じたのは、14歳の時に、「トゥルー・グリッド」(2010年)で、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた、ヘイリー・スタインフェルド。誰に対しても極端に強がる少女を、見事に演じていました。彼女の下品極まりない罵りの数々は、どんな人をも寄せ付けようとしない心の闇の深さを感じると同時に、こうでしか気持ちを言い表せない残念さを感じました。自身の罵りのせいで、一人、また一人と、色々な人々が距離を取るようになり、そこから自身が何を学んでいくのかにも注目していただきたいです。



また、ネイディーンを取り巻く人々の中で、注目すべき名脇役がいます。ネイディーンが通う高校の教師・ブルーナーを演じたウディ・ハレルソンです。ネイディーンが、どんなに見え透いた嘘をついても、どんなに毒を吐いても、常に見事な返しをするのです。あらすじの最初に、ネイディーンが自殺を予告するシーンで、ブルーナーも実は遺書を書いていて、ネイディーンを驚かせた事について触れましたが、この他にも、ブルーナーは、見事な返しを披露しています。例えば、ネイディーンが宿題を忘れて、「父が亡くなったから、宿題をする気になれなかった。」と、嘘をついた時は、「このクラスで、そんな嘘をつけるのは、1年だけだ。」と、たしなめましたし、ネイディーンに教師の給料の安さを指摘された時には、「この仕事は23年目だが、年収を低く言われたのは初めてだ。そこだけは、ちょっといい気分だ。」と、自身への罵りを心からの褒め言葉に変えて見せました。返しをする時のブルーナーは、飄々としていて、心のゆとりの大きさを感じさせます。私も、こんな大人であるべきだと思いました。



さて、ネイディーンは、もはやクリスタとの間にできた深い溝を埋めるのは困難だと判断し、ある重大な決意をします。ネイディーンと距離を置くようになった人はたくさんいますが、決して、「彼女が何をしようが、もう関係ない。」と、考えている訳ではありません。誰もが、ネイディーンの重大な決意を翻そうと、懸命に動きます。彼らは、ネイディーンが罵るような常識のない人たちではないですし、ネイディーンを心から大切に思っています。彼らのネイディーンの幸せを願う気持ちには、心を揺さぶられます。この映画の最大の注目ポイントですよ!

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