グッバイ、サマー(2015年 フランス)

グッバイ、サマー スペシャル・プライス [DVD] - アンジュ・ダルジャン, テオフィル・バケ, オドレイ・トトゥ, ミシェル・ゴンドリー
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フランス・ベルサイユ。ある日の朝5時57分、14歳の中学生・ダニエル(アンジュ・ダルジャン)は、既に目を覚ましていました。ダニエルは、ベッドの上で横になったままです。ダニエルの家族で、目を覚ましている者は一人もいません。5時58分、5時59分と時間は進み、ようやく6時になると、ダニエルは、目覚まし時計が鳴り始めてすぐにそれを止め、スッと起き上がりました。その後、ダニエルは、トイレを済ませ、一人で朝食を用意します。因みに、この日の朝食は、ミルクティーとクッキーだけ。ダニエルは、クッキーをミルクティーに浸して、黙々と口に運びました。朝食がすぐに終わると、ダニエルは部屋に戻り、今度は目覚まし時計を7時にセットして、再び眠るのでした。

グッバイ、サマー [Blu-ray] - アンジュ・ダルジャン, テオフィル・バケ, オドレイ・トトゥ, ミシェル・ゴンドリー
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ダニエルは、あまり勉強に関心がありません。逆に関心があるのは、絵を描く事で、将来は画家になりたいと考えていました。この日も、ダニエルは、学校の数学の授業中に、教師(ナディーヌ・サンシリー)が話をしている最中であるにも関わらず、ノートに、青いインクのペンで、一生懸命絵を描いていました。授業が終わると、ダニエルは、学校の廊下で、同級生の男子の集団に囲まれます。ダニエルは、彼らに好かれているのではありません。「ミクロ(チビ)」と呼ばれて、馬鹿にされているのです。ダニエルは、しばらくしてから、どうにか彼らから離れ、一人で帰宅の途に就くのでした。

グッバイ、サマー - アンジュ・ダルジャン, テオフィル・バケ, ディアーヌ・ベニエ, オドレイ・トトゥ, ジャナ・ビトゥネロヴァ, ミシェル・ゴンドリー, ジョルジュ・ベルマン
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帰宅後、ダニエルは、部屋に籠り、絵を描く事に夢中になっていました。一方、母親のマリー・テレーズ(オドレイ・トトゥ)は、別の部屋で電子ピアノを弾いていました。しかし、ダニエルは、途中から、あまり絵を描く事に集中できなくなります。弟・シモン(フェルディナン・ルー=バルマ)が、庭で、家の壁に向かって、サッカーボールを蹴っていたからです。ダニエルは、シモンを静かにさせるため、庭へ行くのですが、結局、シモンと一緒にサッカーを始めてしまいます。お互いに向き合い、サッカーボールを蹴り合っていた2人でしたが、その途中、シモンが勢いよく蹴ったサッカーボールが、家の窓ガラスに激突し、窓ガラスはほぼ完全に割れてしまいます。マリー・テレーズは、驚いて庭へ向かいます。「なんで家中の物を壊すの?家に恨みでもある訳?」ダニエルは、部屋のベッドに上がって、掛け布団で体を覆い、「僕は何もやってないよ。」と、無実を訴え、シモンは、「兄ちゃんが『狙え!』って。」と、自分のした事をダニエルのせいにしようとします。マリー・テレーズは、以前にダニエルたちが部屋の壁に大きな穴を開けた事を思い出し、憤るのでした。

グッバイ、サマー(字幕版) - アンジュ・ダルジャン, テオフィル・バケ, ディアーヌ・ベニエ, オドレイ・トトゥ, ジャナ・ビトゥネロヴァ, ミシェル・ゴンドリー, ミシェル・ゴンドリー, ジョルジュ・ベルマン
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翌朝、ダニエルは目を覚ましたものの、いまいち目覚めが良くなくて、しばらくの間、マリー・テレーズのベッドの上で横になります。夕べは、あまり眠れなくて、自身のベッドの上で歌を歌ってみたのですが、あまり効果がなかったのです。マリー・テレーズは、そんなダニエルに、「絶対にためになる。」と、言って、ある科学者が執筆した1冊の本を渡します。ダニエルは、素直にそれを受け取ります。



この日、ダニエルが学校で数学の授業を受けていると、今まで誰も見た事がない生徒がドアを静かに開けようとします。しかし、生徒は、何も言わずに、ドアを閉めてしまいます。その後、生徒は、教室のドアをノックし、数学教師に声をかけた上でもう一度ドアを開け、教室に入ります。この生徒の名は、テオ(テオフィル・バケ)。今日から、この学校で勉強する事になった転校生でした。テオは、ロシア語のクラスに配属されるはずだったのですが、学校側に不備があり、英語のクラスに配属されてしまいました。テオは、学校にその件で確認をしていて、転校して早々に遅刻をしたのです。テオは、数学教師の指示に従い、取りあえず、ダニエルの隣の席に座ります。



学校の休み時間が始まると、テオは自作のバイクに乗り、エンジン音を轟かせますが、「うるさいぞ、ガソリン。」と、同級生が、早速、テオにあだ名をつけて、クレームを付けたり、テオが一風変わった趣味を持っている事を否定したり、バイクを倒したりします。しかし、テオは、彼らから何を言われても、バイクを倒されても、全く平気でした。それを見ていたダニエルは、テオに近付き、バイクの構造に興味を示します。実は、ダニエルの父親は技術者で、ダニエルも以前から機械に興味があったのです。一方、テオの父親は、古道具屋を営んでいます。テオは、そんな父親の背中を見て育ったためか、古い部品を寄せ集めて、何かを作るのが好きでした。彼自身から匂うガソリンの匂いは、その証でした。ダニエルとテオは、こうして意気投合して、友達同士になったのです。



ある日、テオは、父親から、売れ残った古道具を現金に変えてくるよう、命じられます。テオは、ダニエルと一緒に、古道具を詰め込んだリヤカーを引っ張り、近所の中古品の買い取り業者を訪ねます。テオとダニエルは、早速、持ってきた古道具を業者に渡すと、山のように積まれた他の古道具を一緒に見に行きます。テオは、山のような数の古道具の中で、1台の芝刈り機に目が留まります。テオは、ここに来る前に、父親からガラクタを持って帰らないよう、釘を刺されていましたが、どうしても欲望には勝てず、家に持ち帰ってしまいます。帰宅後、テオは、案の定、父親から叱られてしまいます。それでも、テオは父親の言葉をあまり気にする事なく、部屋で、ダニエルと一緒に、芝刈り機の修理に挑みます。その結果、芝刈り機は、見事に治ったかに思われましたが、周囲に煙が充満し、別の部屋にいたテオの母親(ジャナ・ビトゥネロヴァ)は、しばらく咳き込んでしまいます。



この日、ダニエルは、テオの自宅に泊まる事になりました。夜、テオは、ダニエルにある提案をします。なんと、自分たちが使う特別な車を、自分たちの手で作ろうというのです。エンジンに車輪と車体を付けたら、1台の車になる。1台の車を作ったら、未来を変えられる。自分たちも、自信を持って、自立できる。ダニエルは、不安や疑問を次々にテオにぶつけますが、テオの夢はどんどん膨らむ一方でした。結局、ダニエルは、テオの提案に乗る事に決めました。



ダニエルとテオは、早速、車の製作に取り掛かります。2人は、タイヤ、ハンドル、エンジンなどの部品をどんどん集め、コツコツと組み立てていきます。ある日、ダニエルは、テオに1つの提案をします。学校の夏休みが始まったら、一緒に旅に出ようというのです。ダニエルは、道中、高速道路を走行する事が許されないと分かっているので、ひたすら小道を走っていきたいと考えています。テオは、迷わず提案に乗りました。しかし、2人の特別な車が役所から認可されるのは、非常に困難な事でした。部品に不備があり過ぎて、高速道路どころか、公道すら走る事ができないのです。しかし、問題はそれだけではありません。わざわざ口に出して言うまでもない事ですが、2人は、まだ車の運転免許を取得できる年齢に達していないため、どんな車も運転してはならないのです。それでも、テオは諦められず、ある解決策を思い付きます。車を運転してはならない年齢だというのならば、車らしく見えない車を作ったら、車を運転している事にならないのではないか…。そして、完成したのは、ボディーをログハウス風にした車でした…。



監督・脚本は、「エターナル・サンシャイン」(2004年)、「ムード・インディゴ うたかたの日々」(2013年)のミシェル・ゴンドリー。この映画は、ゴンドリーの自伝的な映画です。ゴンドリーは、「この映画は、100%僕の思い出からできている。僕が体験した事を元に、冒険したかったんだ。」と、語っていたそうです。



ダニエル役のアンジュ・ダルジャンは、今回が映画初出演。ダニエルは、中学生になってもまだ女子のような容姿だという設定ですが、私は、むしろ、現代らしい、中性的な魅力のある男子だと思いました。今のところ、彼が出演した映画はこの映画のみですが、私は、今回、この映画を観て、今後、若い女性に人気の俳優になりそうな予感がしました。また、テオ役のテオフィル・バケも、本格的な映画出演は今回が初めてでした。思春期の男子らしい、刺々しい雰囲気が見事でした。また、茶色っぽいレザーのジャケットを着ている姿もとても良かったです。ただ、バケ自身は、あまりレザーのジャケットを着た事がなく、撮影の際はとても困っていたそうです。



また、この映画には、「アメリ」(2001年)、「ココ・アヴァン・シャネル」(2009年)、「ムード・インディゴ うたかたの日々」(2013年)のオドレイ・トトゥが、ダニエルの母親であるマリー・テレーズ役で出演していますが、トトゥは、白のすっきりしたデザインのシャツと落ち着いた台詞回しが凄く印象的で、「アメリ」に出演した頃のかわいい雰囲気から、この映画での落ち着いた雰囲気へと、美しく年齢を重ねてきたのを感じました。



さて、ダニエルとテオは、大人たちが決めたルールや、普通でいる事を強要してくる同級生たちに逆らい続けていますが、特に、テオの反抗ぶりは、日本人には想像できない感覚で、大変印象に残りました。自身に自立できる力がある事をどうしても周囲の大人たち(特に、父親)に分かってほしくて、自身で車を運転する事に強いこだわりを持ち続けたり、大人顔負けの頭の回転の速さを見せつけたりするのですが、どちらも、物凄くもがき苦しんでいるように見えて、切なさを覚えました。しかし、実際に車が完成し、ダニエルと一緒に旅に出てみると、旅自体が決して楽なものではない事が次第に分かってきます。2人の前には、どんなものが立ちはだかっているのでしょうか?

グッバイ、サマー スペシャル・プライス [DVD] - アンジュ・ダルジャン, テオフィル・バケ, オドレイ・トトゥ, ミシェル・ゴンドリー
グッバイ、サマー スペシャル・プライス [DVD] - アンジュ・ダルジャン, テオフィル・バケ, オドレイ・トトゥ, ミシェル・ゴンドリー

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