地獄の黙示録(1979年 アメリカ)

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ベトナム戦争の最中にあった時代のベトナム・サイゴン。アメリカ海軍・173空挺部隊特殊任務班のウィラード大尉(マーティン・シーン)は、この地に来て1週間になります。ウィラード大尉のする事は、毎日、閉塞感漂う部屋の中で、体がなまっていく中、ただ指令を待つ事。ウィラード大尉は、早くベトナムのジャングルに戻りたいと願っていました。ウィラード大尉が一度帰国した時は、最悪でした。朝、目覚めた時は、空しさを感じるだけで、妻に離婚話を切り出した時は、一言、「イエス」と、言われ、あっさりと離婚が成立しました。ウィラード大尉は、戦場であるベトナムでは、故郷であるアメリカを思い、故郷であるアメリカに帰れば、戦場であるベトナムのジャングルに戻りたいと願いました。

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そんな彼に、突然、望みが叶う日が訪れました。それは、まさに特別な任務でした。それを終えた時に二度とご免だと思ったその任務とは、ベトナム南部にあるニャチャンの情報司令部から、蛇行したヌン川を数百キロさかのぼり、カンボジアで現地の人々の軍隊を指揮している特殊部隊の作戦将校・カーツ大佐(マーロン・ブランド)を追う事でした。ウィラード大尉は、自身を訪ねてきた2人の兵士たちから、ニャチャンの情報司令部への出頭を命じられた事を知り、早速、数時間後に出発する事になりました。しかし、ウィラード大尉は、酒に酔っていて、気分が優れません。2人の兵士たちは、ウィラード大尉の体を無理やり起こし、シャワールームに連れていくのでした。

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ウィラード大尉は、2人の兵士たちと共にヘリコプターに乗り、ニャチャンの情報司令部へ向かいます。情報司令部に着くと、ウィラード大尉は、情報司令部の幹部たちから、過去の経歴について色々と尋ねられます。これまで単独任務が多かった事、あらゆる諜報部を渡り歩いてきた事、CIAに勤務していた事、1968年6月18日にベトナム北中部にあるクアンチで税務署員を暗殺した事など、ありとあらゆる質問を受けるウィラード大尉でしたが、立場上の理由から、詳細を語る事ができませんでした。

地獄の黙示録・特別完全版 オリジナル・サウンドトラック - サントラ, カーマイン・コッポラ, フランシス・コッポラ, ドアーズ
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その後、ウィラード大尉は、情報司令部の幹部たちと一緒に昼食を摂ります。その際、ウィラード大尉は、カーツ大佐の写真を渡され、さらに、1968年12月30日に吹きこまれたという、カーツ大佐の肉声のテープを聞かされます。カーツ大佐の語る内容は、まるで詩のようでした。「私はカタツムリを見ていた。カミソリの刃の上を這っていた。夢に出てきた。私の悪夢にゆっくり這っていく。鋭くて、まっすぐな刃の上を、死にもせず。だが、殺さねば。焼いて、灰にするのだ。豚という豚、牛という牛、村という村、軍隊という軍隊を。やつらは、私を『人殺し』と。人殺しが人殺しを非難する事を何と言う?欺瞞だ。我々はウソつき同士、寛容にならねば。肥えたブタどもめ。やつらが憎い。心底憎い。」カーツ大佐は、あらゆる点で優れていて、何より人格者でした。人道主義者で、ユーモアもありました。しかし、特殊部隊に入ったのがきっかけで、考えや手法が次第に不健全になっていきました。カンボジアの軍人たちは、そんなカーツ大佐を、神と崇めていました。カーツ大佐は、今、ベトナム人スパイ数名の殺害を命じた容疑で、逮捕状が出ています。カーツ大佐が正気をなくしているのは、アメリカ軍の誰の目にも明らかでした。



ウィラード大尉に与えられようとしている任務は、まず、哨戒艇でヌン川を上り、ヌーマンバーでカーツ大佐の情報を収集し、それに基づいて、カーツ大佐を探し、そして、カーツ大佐を見つけたら、彼の軍に潜入して、あらゆる手を使い、彼の指揮を断つ事でした。「彼の指揮を絶つ」とは、どういう意味なのでしょうか?カーツ大佐は、良識を失い、暴挙に走っています。そんな人間が軍を指揮しているのは、常識的に考えて、良くありません。そこで、アメリカ軍としては、ウィラード大尉に、カーツ大佐を、情け容赦なく抹殺してほしいのです。ウィラード大尉は、アメリカ軍の考えに賛同し、任務に就きます。



ウィラード大尉は、過去に、自身の任務において、少なくとも6人は確実に殺しています。しかも、息がかかるくらいの至近距離で。しかし、今回の標的は、自身と同じアメリカ人、しかも、将校です。いつもとは、訳が違います。しかし、任務を受けた以上、やるしかありません。ウィラード大尉は、哨戒艇に乗り、海岸線を進みます。ウィラード大尉には、クルーが何人か同行しています。彼らは、ウィラード大尉から見れば、まだまだ年齢が若そうです。まず、機関士のシェフ(フレデリック・フォレスト)は、ニューオーリンズ出身。神経質で、ベトナムでの任務には不向きと言えます。かと言って、ニューオーリンズ向きでもありません。50ミリ砲の射手・ランス(サム・ボトムズ)は、ロサンゼルス出身のサーファー。しかし、銃を撃てる顔には見えません。クリーン(ローレンス・フィッシュバーン)は、サウスブロンクス出身。ベトナムの光と空間のせいか、ぶっ飛んだキャラクターでした。そして、チーフ(アルバート・ホール)は、ユーモアのある哨戒艇の持ち主でした。



海岸線からヌン川に入る水路は2か所ありますが、どちらもベトコン支配下にあり、危険です。しかし、ウィラード大尉たちが任務を全うするには、ヌン川に入るしかありません。彼らは、危険を顧みずに、ヌン川に入ります。その後、ウィラード大尉は、カーツ大佐の経歴を書類で確認します。カーツ大佐は、とにかく完璧な人物だったようです。軍の最高幹部になっても、ちっともおかしくありません。三世代にわたる陸軍一家で、学校ではトップの成績。朝鮮戦争の際は、空軍部隊の一員として出兵して、数多くの勲章を手にし、他にもいろいろと実績を積み重ねていました。これから、自身が抹殺しようとしている人物が、この書類に書かれている人物と同じだなんて、とても信じられません。ところが、1964年、カーツ大佐は、顧問団に随行したベトナムから戻った時に、変化が起きていました。大統領宛てのカーツ大佐の報告書が、不適切な内容である事を理由に、握りつぶされたのです。その後、カーツ大佐は、空挺部隊の訓練課程を3回も志願し、ようやく受理されました。当時、カーツ大佐は38歳。なぜ、この年齢で空挺部隊に入ろうとしていたのでしょうか?1966年になると、カーツ大佐は、特殊部隊に加わり、ベトナムに戻りました。



その時、ウィラード大尉たちは、B-52による爆撃の音を耳にします。この音が聞こえる時は、必ずと言っていい程、悪い事が起きます。この時も、音を耳にしてすぐに、煙や炎が遠くに見えました。ヘリコプターも周囲を飛び回っています。また、ところどころで、頭に傷を負ったベトナム人の姿も見られます。爆撃を始めたのは、アメリカ軍の航空騎兵隊の第1部隊でした。もともと、この部隊は、ヌン川までウィラード大尉たちの護衛をしてくれる事になっていて、30キロ先で合流するはずだったのですが、彼らは、じっと待つ事ができなかったのです。航空騎兵隊は、伝統ある集団ですが、ヘリコプターでベトナム中を暴れ回り、ベトコンを奇襲攻撃していました。ウィラード大尉は、哨戒艇を降りて、第1部隊の部隊長・キルゴア(ロバート・デュヴァル)に任務の確認を行いますが、「後で検討する。ここが片付くまで待て。」と、言って、ウィラード大尉を待たせます。ウィラード大尉たちがキルゴア率いる第1部隊と共にヘリコプターでベトコンの拠点に向かったのは、翌朝の事でした。



一同がベトコンの拠点に着くと、第1部隊の兵士たちが、ヘリコプターのエンジン音をわざと大きくして、地上にいるベトナム人たちに恐怖心を与えます。そして、ベトナム人たちが恐怖心で右往左往し始めたところで、バルカン砲で爆撃を始めます。兵士たちは、地上にいた一部の仲間を誤って撃った事に気付いたかどうかは定かではありませんが、慣れた様子で淡々と爆撃を続け、ベトナム人たちは、燃え盛る炎の中で、必死になって逃げ場所を探していました。兵士たちは、たとえ相手が若い女性であっても、容赦なく撃ちました。



その後、ウィラード大尉たちは、再び哨戒艇に乗り、カーツ大佐を探すため、うっそうとしたジャングルを貫くヌン川を進んでいきます。哨戒艇は、紆余曲折を経て、ド・ラン橋の手前に辿り着きます。ここは、ヌン川のアメリカ軍最後の拠点で、この先にカーツ大佐がいます。しかし、橋の周囲には、「故郷に帰らせろ。」と、叫びながら泳ぐ男性が大勢いました。彼らはいったい何者なのでしょうか?そして、カーツ大佐の居場所は、…。



ワン・フロム・ザ・ハート」(1982年)、「ランブルフィッシュ」(1983年)のフランシス・フォード・コッポラ監督がメガホンを取ったこの映画は、イギリスの小説家ジョセフ・コンラッドの小説「闇の奥」の舞台をベトナム戦争に移したものです。2時間33分に及ぶ上映時間を、私は実に長く感じました。なぜなら、ストーリーの中盤で、本題から逸れたシーンがしばらく続いたからです。シェフがジャングルで野生のトラに襲われるシーン、ミスコンで優勝した女性たちによるベトナムの戦地への慰問のシーン、ウィラード大尉が燃料の調達をしようとして相手に拒まれるシーンなどを、「もしかしたら、ストーリーの伏線かもしれない。」と、思い、注意深く観ましたが、どれも伏線ではありませんでした。視点を変えて、ストーリーの途中の息抜きのつもりで観るとしても、どれもあまりにも長過ぎました。これらのシーンを全て省けば、上映時間がかなり削られた、非常にテンポの良い映画になると思いました。



逆に、この映画の良かった点は、スケールの大きさでした。ウィラード大尉役のマーティン・シーン、カーツ大佐役のマーロン・ブランドといった豪華キャスト、キャストの命の危機を目の当たりにしたような感覚を覚える爆撃のシーンの容赦ない迫力、緊迫感が凄いBGMの数々と、目と耳で魅了する映画としては、名作ではないかと思いました。



この後、ウィラード大尉たちは、カーツ大佐の居場所まであともう少しというところで、激しい銃撃に巻き込まれます。命懸けで戦う一同でしたが、一人、また一人と、尊い命が失われていきます。これには、さすがのウィラード大尉も、不安を覚えます。果たして、ウィラード大尉は、このような状況に追い込まれて、任務を全うする事ができるのでしょうか。

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