雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年 アメリカ)

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う [DVD] - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ
雨の日は会えない、晴れた日は君を想う [DVD] - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ

アメリカ・ニューヨーク。デイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は、ニュージャージー州で生まれ育ち、27歳の時に、義父・フィル(クリス・クーパー)がトップを務める小さな投資会社に、コネで採用されました。それ以来、デイヴィスは、フィルに「田舎者だから」と嫌われながらも、努力を積み重ね、やがて、出世コースに乗って、富も地位も手に入れました。しかし、デイヴィスは、エリート社員になったからといって、心身共に満たされている訳ではなく、高層タワーの上層階で数字と向き合う事を、ただただ虚しいと感じていました。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う [Blu-ray] - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ
雨の日は会えない、晴れた日は君を想う [Blu-ray] - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ

そんなある日の朝、デイヴィスは、特別支援学級で教師をしている妻・ジュリア(ヘザー・リンド)の運転する車に乗り、いつものように会社に向かっていました。ジュリアは、フィルと電話で話をしながら、ハンドルを握っていました。フィルは、義母・マーゴット(ポリー・ドレイバー)と親子喧嘩をしてしまったジュリアの事をとても心配していました。ジュリアが電話を切った後、デイヴィスとジュリアの2人は他愛もない会話をしていました。「2週間前から水漏れしている冷蔵庫を、早く修理すべきだ。」、「修理するなら、2年前のクリスマスにフィルがくれた工具があるから、それを使えばいい。」と。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(吹替版) - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ, ブライアン・サイプ
雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(吹替版) - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ, ブライアン・サイプ

そんな会話の途中に、悲劇は突然訪れました。ジュリアが座っている運転席に向かって、1台の車が、速過ぎるスピードを全く落とす事なく、ぶつかってきたのです。その車のあまりにも速いスピードに、2人は逃げる隙が全くありませんでした。デイヴィスは助手席にいたため、怪我はありませんでしたが、運転席にいたジュリアは、まともに衝撃を受け、帰らぬ人となりました。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(字幕版) - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ, ブライアン・サイプ
雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(字幕版) - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ, ブライアン・サイプ

デイヴィスがジュリアの死を知ったのは、搬送先の聖アンドレ病院の待合室にいた時でした。待合室の椅子に座ったまま寝てしまったデイヴィスを、駆けつけたフィルが起こして、知らせてくれたのです。しかし、デイヴィスは、一滴の涙も出ず、悲しみにしさえ無感覚になっている事に気付きます。病院のお菓子の自動販売機が上手く動いてくれなくて困った時も、亡きジュリアの血液が付着している病院の集中治療室を見ても、自宅でたった一人で食事をしていても、フィルとマーゴットがデイヴィスの自宅に駆けつけても、自動販売機を管理する会社・チャンピオン社宛てに、修理の依頼の手紙を書いている時でも、そして、ジュリアの葬儀の間でも、何の感情も湧き起こらなかったのです。デイヴィスは、自分自身に問いかけます。「俺は、ジュリアの事を本当に愛していたのか?」、「俺の心はどこに行ってしまったんだ?」



デイヴィスは、ジュリアを見送って間もなく、仕事に復帰しました。フィルは、社員たちの予想よりもずっと早く仕事に復帰して、遅れを取り戻そうと必死になっているデイヴィスの姿を見て、「ジュリアの死と上手く向き合えていないのではないか」と心配し、デイヴィスをレストランに連れて行きます。フィルは、デイヴィスと向かい合う形でテーブルに座り、デイヴィスに向かって、静かに語りかけます。フィルは、感情を表に出さないのは強さの証である事、一人の父親としてジュリアをとても愛していた事、これからもデイヴィスとつながりを持ち続けたい事などを語り、そして、今後、デイヴィスに保険部門を任せる事を伝えます。



ある日、デイヴィスは、ジュリアの死をきっかけに、新たな行動を起こします。なんと、身の回りのあらゆるものを破壊し始めたのです。会社のトイレ、パソコン、ジュリアのドレッサー等…。実は、デイヴィスは、フィルと一緒にレストランを訪れた時に、フィルからこんな事も言われていました。「心の修理も、車の修理も同じ事だ。まず隅々まで点検して、組み立て直すんだ。」この日、デイヴィスが自宅にある家財道具を次々に壊していると、彼のスマートフォンに連絡が入ります。電話の声の主は、チャンピオン社の顧客窓口で働くカレン・モレノ(ナオミ・ワッツ)でした。カレンは、デイヴィスが書いた手紙4通全てに目を通し、涙を流した事を明かします。また、カレンは、デイヴィスからの苦情をきちんと上司に伝え、できる限りの協力もするつもりでいました。「どうせ、自分の手紙なんて、読んでくれないだろう」と思いながらも、手紙を書き続けたデイヴィスは、カレンの誠実な対応に驚きます。



数日後、デイヴィスは、フィル、マーゴットと一緒に食事をしていました。その途中、カレンから連絡が入ります。デイヴィスは、フィルたちと別れ、近くのダイナー(大衆食堂)まで、カレンに会いに行きます。しかし、デイヴィスがダイナーに到着した時、カレンの姿はありませんでした。デイヴィスは、一人で食事を注文し、それを食べながら、カレンに電話をかけて、居場所を尋ねます。カレンは、ダイナーの駐車場に停めた車の中にいました。デイヴィスは、席を立ち、カレンの車が見える場所まで移動するのですが、カレンは電話の途中で駐車場を離れてしまいます。



その日以来、デイヴィスは、仕事に身が入らなくなります。会議でのデイヴィスは、どこか上の空で、仕事に直接関係のない質問を平気でしてしまい、自室に戻ると、パソコンを力任せに破壊します。そして、それが終わると、今度はある場所に向かいます。向かった先は、なんと、チャンピオン社の顧客窓口でした。しかし、カレンは、あいにく留守でした。デイヴィスは、たまたま顧客窓口を通りかかった社長のカール(C・J・ウィルソン)に声を掛けられますが、何も言わずに立ち去ります。



その後、デイヴィスは、チャンピオン社のカプチーノ機をたまたま見つけ、勝手に破壊して、カレンに電話を掛けます。カレンは、デイヴィスに身の上話をします。シングルマザーであるカレンには、15歳になる息子・クリス(ジューダ・ルイス)がいます。見た目は12歳くらいの感じですが、21歳並みの大人びた行動を取る、頭がいい少年でした。また、カレンは、チャンピオン社に来ないよう、デイヴィスに頼みます。チャンピオン社が、デイヴィスを危険人物とみなす可能性があるためでした。



しかし、デイヴィスは、カレンに会ってしまいました。通勤途中の電車の中で偶然カレンを見かけ、わざわざ本人から見て真向かいの席に座ると、一方的に自分の話をし続けたのです。その後、いったんカレンと別れると、その日の夜に、今度は、カレンの自宅に押し掛けました。玄関先でベルを鳴らすと、見覚えのある男性が応対します。その男性とは、チャンピオン社の社長のカールでした。実は、カレンは、カールと交際していたのです。カレンは、デイヴィスに、2度と自宅に押し掛けないよう頼みます。デイヴィスは、「これで最後だから」と、最後の手紙をカレンに渡し、笑顔で帰宅の途に就くのでした。



その後、デイヴィスは、フィルの自宅の洗面所にある照明を破壊したり、会社のトイレの個室を破壊したりと、奇妙な行動がますますエスカレートしていきます。フィルとの長きにわたる信頼関係が薄れていったのは、誰の目から見ても明らかでした。ある日、会社でフィルに呼び出されたデイヴィスは、これまでの行動の数々を追求されますが、懲りるどころか、むしろ、会社に飾ってあるフィルの曾祖母の形見の置き時計を破壊したい衝動に駆られます。フィルは、デイヴィスの精神状態の深刻さを心配し、休職を勧めます。デイヴィスは、さすがにフィルの意見を受け入れる事を決め、会社を離れます。デイヴィスがスーツ姿のままで向かった先は、2度と押しかけないよう頼まれていた、カレンの自宅でした…。



この映画は、とにかく、デイヴィスの攻撃的な行動の数々が非常に印象に残ります。しかし、ジュリアが物語の序盤で事故死してしまうので、デイヴィスがジュリアを失った喪失感があまりにも大きい理由がいまいち伝わりにくかったです。ジュリアの存命中のシーンを、もう少し増やした方がよかったのではないでしょうか。メガホンを取ったのは、ジャン=マルク・ヴァレ監督。代表作に、「ダラス・バイヤーズ・クラブ」(2013年)、「わたしに会うまでの1600キロ」(2014年)があります。



デイヴィスを演じたのは、「ナイト・クローラー」(2014年)、「サウスポー」(2015年)のジェイク・ギレンホール。己が受け止めたとてつもなく大きな悲しみが、涙ではなく、ありとあらゆるものを破壊する形で現れ、それをどうしても止められないのを観ていて、ただただ悲しくなりました。人様に多大な迷惑をかけないとストレスを発散できないデイヴィスは、やがて、フィルと距離を置かざるを得ない状況に追い込まれ、カレンだけが心の拠り所になります。そんな中、ジュリアが生前にメモを遺していた事が分かります。その内容は、デイヴィスに人生のあり方を大きく変えるほどの衝撃を与えます。



カレンを演じたのは、「21グラム」(2003年)、「ダイアナ」(2013年)のナオミ・ワッツ。映画の中では詳しく描かれていないのですが、カレンもまた、不本意な事情でシングルマザーになった人物のようです。カレンは、勤務先の社長・カールに恋をし、カールの存在がありながら、距離を取りたかったデイヴィスにも恋をし、異性への依存度の高さが窺えます。また、フィルを演じたのは、「8月の家族たち」(2013年)のクリス・クーパー。義理の息子・デイヴィスに、あくまで実の父親のように寄り添いたいのに、恩を仇で返され、次第に疲弊していく姿に、思わず同情してしまいました。



さて、デイヴィスは、ジュリアが遺していたメモの存在を知り、彼の人生の何がどう大きく変わるのでしょうか。ここで、結末について詳しく語るのは差し控えさせていただきますが、まず、これまで彼が取ってきた攻撃的な行動の一つ一つを目に焼き付け、物語のクライマックスで彼がついに変わる瞬間を迎えたら、それらを振り返っていただく事をおススメします。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う [DVD] - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ
雨の日は会えない、晴れた日は君を想う [DVD] - ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー, ジューダ・ルイス, ジャン=マルク・ヴァレ

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント