マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年 スウェーデン)

マイライフ・アズ・ア・ドッグ [HDマスター] [DVD] - アントン・グランセリウス, メリンダ・ギンナマン, アンキ・リデン, トーマス・フォン・ブレムセン, ラッセ・ハルストレム
マイライフ・アズ・ア・ドッグ [HDマスター] [DVD] - アントン・グランセリウス, メリンダ・ギンナマン, アンキ・リデン, トーマス・フォン・ブレムセン, ラッセ・ハルストレム

1950年代末、北欧・スウェーデンの海辺にある小さな町。12歳の少年・イングマル(アントン・グランセリウス)は、幼い頃、よく、母親(アンキ・リデン)と一緒に、家の近くの海岸へ遊びに行きました。当時、イングマルはまだ幼く、母親もまだ病気を患う前でした。イングマルが冗談を言うと、母親は笑ってくれました。その頃のイングマルは、よく考えてみれば、運が良かったと言えます。例えば、アメリカ・ボストンで腎臓移植手術を受けた男性は、新聞に取り上げられましたが、男性は亡くなりました。宇宙船スプートニク号に乗せられて宇宙を飛んだライカ犬は、心臓と脳に、反応を調べるためのワイヤーが取りつけられました。人間の手によってワイヤーが取り付けられるのは、さぞ、嫌だったに違いありません。ライカ犬を乗せたスプートニク号は、積み込まれていた食べ物がなくなるまで地球を5か月も回り、最後には餓死してしまいました。また、エチオピアに行った女性の宣教師は、神の教えを説いていた時に、棍棒で殴り殺されました。イングマルは、そう考えてみれば、それらよりずっとマシなのです。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ 【HDマスター】 [Blu-ray] - アントン・グランセリウス, メリンダ・キンナマン, アンキ・リデン, トーマス・フォン・ブレムセン, ラッセ・ハルストレム
マイライフ・アズ・ア・ドッグ 【HDマスター】 [Blu-ray] - アントン・グランセリウス, メリンダ・キンナマン, アンキ・リデン, トーマス・フォン・ブレムセン, ラッセ・ハルストレム

ある日、イングマルは、飼い犬・シッカンの散歩を兼ねて、同じ町に住む少女・カエルちゃん(ヨハンナ・ウーデン)と遊んでいました。その途中、イングマルは、わざと左手の親指にナイフを入れ、「血が出た」とカエルちゃんを呼び、傷口を舐めさせます。イングマルは、それをきちんと確かめると、「これで夫婦だ。」と、カエルちゃんに告げるのでした。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ(字幕版) - アントン・グランセリウス, マンフレド・セルナル, アンキ・リデン, トーマス・フォン・ブレムセン, メリンダ・キンナマン, ラッセ・ハルストレム
マイライフ・アズ・ア・ドッグ(字幕版) - アントン・グランセリウス, マンフレド・セルナル, アンキ・リデン, トーマス・フォン・ブレムセン, メリンダ・キンナマン, ラッセ・ハルストレム

また、イングマルは、兄・エリク(マンフレド・セルナル)が家の地下室に大勢の子ども達を集めて、妊娠の仕組みについて教えていた時に、エリクの助手をさせられた事がありました。その時、イングマルは、あるとんでもないアクシデントに巻き込まれました。エリクが、手に持っていた瓶を使って、一度教えた事を実演していた際に、瓶の口がイングマルの急所にはまって、取れなくなってしまったのです。幸い、母親が異変に気付き、すぐに地下室に駆けつけたため、イングマルは助かりましたが、後で、母親に叱られてしまいます。イングマルは、しばらくの間、母親から何を尋ねられても、無口なままでしたが、その途中で、母親がただならぬ様子で咳をし始めます。イングマルは、心配して母親に駆け寄りますが、母親は、イングマルが近付くと、イングマルが自分のせいで危ない目に遭ってしまうのではないかと思い、「行って!」と、イングマルを強い口調で遠ざけます。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ - レイダル イェンソン, Reidar J¨onsson, 木村 由利子
マイライフ・アズ・ア・ドッグ - レイダル イェンソン, Reidar J¨onsson, 木村 由利子

ある日の朝、家の自室で寝ていたイングマルは、おもちゃの銃の音に驚いて、目を覚ましたと同時に、粗相をしてしまいます。イングマルを起こしたのは、エリクでした。エリクは、イングマルが泣きながらズボンを脱いだ瞬間にズボンを急いで取り上げ、キッチンの棚の中に隠します。そして、イングマルにこう言います。「(誰にも)言うなよ。いいな。銃を貸してやる。いいな。」と。しかし、その後、イングマルの身に、いつも避けて通れない試練が訪れます。朝食で、苦手な牛乳を飲まなければならないのです。母親からも、エリクからも、ちゃんと牛乳を飲むよう言われるイングマルでしたが、牛乳の入ったコップを持つ手は、小刻みに震えていました。結局、イングマルは、この日もまた、一瞬だけ手が勢いよく震え、牛乳を誤って顔にかけてしまいました。自室へ行った母親は、エリクに呼ばれて、すぐにイングマルの元に駆けつけましたが、その時、エリクが隠していたイングマルのズボンを見つけてしまいます。母親は、2人に真相を問い詰めますが、2人共、なかなか重い口を開こうとはしません。母親は、それまで抑えていた怒りが爆発し、牛乳が飛び散ったテーブルをイングマルのズボンで拭き始めてしまいます。



イングマルは、母親とシッカンが大好きです。母親は、かつて写真家として活躍していましたが、病気を理由に辞めてしまいました。しかし、写真家を辞めた今でも、家族の写真を撮るのが好きで、写真を撮っては、家にある暗室で丁寧に現像をしていました。しかし、そんな母親には、別人のようになる時がありました。一度怒ると、別人のように怖くなるのです。突然、金切り声で怒鳴り、息子たちを追い掛け、いつまでも彼らに追い付かないと、突然、無力感を覚え、泣き崩れてしまうのです。このような場合、イングマルも、エリクも、ただ嵐が収まるのを待つしかありません。父親に頼ろうにも、父親は赤道付近でバナナの出荷をする仕事に就いていたため、無理でした。



ある日、イングマルは、またしても家で牛乳をこぼして、母親を怒らせてしまいます。この時、イングマルは、ついに決意しました。大好きなシッカンと一緒に、外で暮らすと。母親は、ここのところ具合があまり良くありませんでした。イングマルは、自分がこの家にいると、母親がゆっくり休めないのではないかと考えたのです。この頃、エリクも、父親の弟にあたる叔父・サンドベルイ(レイフ・エリクソン)から、夏休みの間、林間学校で過ごす事を勧められていました。エリクは、「自分がこの家を追い出されるかもしれないのは、イングマルのせいだ。」と思い込みます。



家の外でシッカンと一緒に暮らすと決めていたイングマルでしたが、実際に、自分の力だけで生活する事は難しく、結局、山間地の村にある母親の実家で過ごす事になりました。イングマルは、大好きなシッカンも一緒に連れて行きたかったのですが、母親から「田舎で、犬の面倒まで見てくれないわ。」と反対されてしまったため、シッカンを連れて行くのを断念し、断腸の思いで、犬の病院に預かってもらう事にします。一方、エリクは、サンドベルイが勧めていた林間学校ではなく、祖母の住む家で過ごす事になりました。2人は、迎えに来てくれたサンドベルイの運転する車で、家の近くの駅へ向かい、犬の病院でシッカンと別れ、駅に着くと、お互いに寂しそうな表情を浮かべて、別れの挨拶を交わします。



イングマルは、母親の実家で新たな生活を始めました。イングマルは、実に心穏やかに日々を過ごしました。牛乳を飲めないのは相変わらずでしたが、それを責め立てる人は一人もいませんでした。イングマルは、普段ならできない、たくさんの経験をしました。母親の実家の一室にあるベッドに横たわる年老いた男性に頼まれて、女性用下着のカタログの朗読をしたり、叔父・グンネル(トーマス・フォン・ブレム)の誘いで、家の庭にある東屋でコーヒーを飲んだり、グリーンの髪の少年・マンネ(ヤン=フィリップ・ホルストレーム)らがいる地元の少年サッカーのチームに加入したり、手作りのリングで子ども同士でボクシングをしたり、グンネルがガラス職人として働くガラス工場に気軽に出入りをして、女性ガラス職人・ベリット(イング=マリー・カールソン)たちと交流したり…。イングマルは、思いました。もし、母親が元気で、こんな楽しい経験の数々を話したら、きっと笑ってくれただろうと…。



この映画は、1983年に出版されたレイダル・イェンソンの同名タイトルの小説が原作で、イェンソン、メガホンを取ったラッセ・ハルストレム監督らが脚本を手掛けました。ハルストレム監督は、スウェーデン・ストックホルム出身。代表作に、スウェーデンを代表するヴォーカルグループ・ABBAのドキュメンタリー映画「アバ・ザ・ムービー」(1977年)、レオナルド・ディカプリオが知的障がいのある少年の役を熱演した映画「ギルバート・グレイプ」(1993年)、忠犬ハチ公の生涯を描いた映画「ハチ公物語」(1987年)のリメイクで、リチャード・ギアがハチ公の飼い主の役で主演した映画「HACHI 約束の犬」(2009年)があります。



さて、ここで、話を「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」に戻します。主人公である12歳の少年・イングマルが母親の実家に移ったのは、精神的に大変な事だったと思います。しかし、東屋でコーヒーを飲んだり、少年サッカーのチームに加入したり、手作りのリングで子ども同士でボクシングをしたり、ガラス工場に出入りしたりといった経験は、どれも、イングマルの心を豊かにしたのではないでしょうか。中には、イングマルが女性用下着のカタログの朗読をさせられるシーンのように、イングマルのような子どもにとって刺激の強いものも幾つかありましたが、そんな経験の数々も、将来、イングマルが大人になったら、楽しい思い出だと感じられるようになるのかもしれません。心を豊かにする経験ができたのも、刺激の強い経験ができたのも、すべて、海辺の町からやって来たイングマルを、初対面から絶対によそ者扱いしなかった人々の温かい人柄のおかげなのです。



この後、イングマルは、たくさんの思い出を胸に、母親の元に帰り、エリクとも再会します。しかし、それも束の間、母親は、またしても病状が悪化し、病院に入院する事になります。イングマルとエリクは、赤道付近で働く父親がすぐに帰ってこられないため、父親の弟である叔父・サンドベルイに引き取られます。ところが、引き取られた後であるにも関わらず、叔母(クリスティナ・カールヴィンド)が、2人の面倒を見る事に反対します。イングマルとエリクは、このまま、居場所を失ってしまうのでしょうか…。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ [HDマスター] [DVD] - アントン・グランセリウス, メリンダ・ギンナマン, アンキ・リデン, トーマス・フォン・ブレムセン, ラッセ・ハルストレム
マイライフ・アズ・ア・ドッグ [HDマスター] [DVD] - アントン・グランセリウス, メリンダ・ギンナマン, アンキ・リデン, トーマス・フォン・ブレムセン, ラッセ・ハルストレム


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント