人生はシネマティック!(2016年 イギリス)

人生はシネマティック! DVD
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1940年、イギリス・ロンドン。ある映画館では、軍需工場の女性労働者を主人公にしたプロパガンダ映画が上映されています。イギリス政府が、国民の戦意を高揚させるために、プロパガンダ映画の制作及び上映を奨励しているのです。しかし、観客の中には、ぐっすりと眠るカップルもいれば、いかにも退屈そうな子どももいて、戦意の高揚とは程遠い光景でした。

人生はシネマティック! Blu-ray
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一方、映画館の外では、コピーライターの秘書として働いていたカトリン・コール(ジェマ・アータートン)がバスに乗り、情報省映画局へ向かっていました。徴兵されたコピーライターに代わって作成した広告コピーが、偶然、情報省映画局の特別顧問トム・バックリー(サム・クラフリン)の目に留まり、映画の脚本家としてスカウトされたのです。その道中、道路が通行止めである事を知ると、カトリンは、やむを得ずバスを降り、徒歩で目的地へ向かいます。

人生はシネマティック!(字幕版)
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一方、情報省映画局の建物の一室では、役人のロジャー・スウェイン(リチャード・E・グラント)が、映画会社の社長ガブリエル・ベイカー(ヘンリー・グッドマン)を呼び、あの軍需工場を舞台にしたプロパガンダ映画の脚本について、あれこれ苦言を呈していました。普段、ガブリエルの会社が得意とするのは、コメディー映画。そして、ガブリエルの会社を脚本家として陰で支えていたのが、トムでした。しかし、今回の場合、太った警官がハシゴから落ちる物語では、戦意を高揚させられる映画とは言えません。ガブリエルは、「戦勝をもたらす映画を作ってみせます。」と、ロジャーに誓うのでした。

人生はシネマティック!(吹替版)
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しばらくして、カトリンがようやく情報省映画局に着き、ロジャーとガブリエルのいる部屋の前まで来ます。部屋の中では、まだ、両者が話を続けていました。そして、話が終わり、カトリンは、ロジャーの事を小声で罵るガブリエルとすれ違い、そして、部屋に入る前にロジャーから歓迎を受けます。その後、カトリンは部屋に通され、ロジャーやトムと話をします。カトリンは、夫・エリス(ジャック・ヒューストン)について、話し始めます。エリスは、ウェールズの貴族の家で生まれ育ったのですが、ある政治思想に傾倒してしまったのを理由に一族から追放されました。その後、スペイン戦争で負傷して、徴兵検査で「不適合」とされ、それ以来、空襲監視員を務めていました。ロジャーは、男性ばかりの脚本家の世界に女性が加わる事で、女性ならではの、より説得力のある視点が脚本に反映されるのではと期待していました。ロジャーは、カトリンが持ち込んだ広告コピーに目を通すと、給料が男性よりも少し安くなる事を了承してもらった上で、正式に採用を決めます。



その後、カトリンは、エリスの待つ自宅に戻ります。カトリンは、開口一番、「戦争芸術家委員会は何て言った?」と、エリスに尋ねます。エリスの周りには、モノトーンに近い色遣いの絵がたくさん飾られています。実は、エリスは画家を目指しているのですが、この色遣いのせいで、なかなか人々から理解を得られずにいるのです。「僕の絵の解釈は、残酷すぎて気が滅入るって。」エリスは、この日も、残念そうな表情で静かにそう言うのでした。



ある日、カトリンは、自ら脚本を手掛けた政府広告の撮影現場立ち会っていました。カトリンは、台詞を堂々と無視して、次々とアドリブを入れてくる俳優アンブローズ・ヒリアード(ビル・ナイ)に注意すべく、声を掛けるのですが、アンブローズは、カトリンの事を、スタジオを見学しに来た一般人だと勘違いして、カトリンが持っていた紙に鉛筆でサインをしてしまいます。カトリンは、自ら脚本を書いた事をアンブローズに伝えます。すると、アンブローズは、機嫌を損ねて楽屋に籠ってしまいます。



トムは、カトリンの脚本家としての才能を最初に認めた張本人として、女性であるカトリンが、レイモンド・パーフィット(ポール・リッター)をはじめとする脚本家仲間に受け入れられているかどうかを心配していました。実際に、トムが本人に尋ねてみると、「(脚本家仲間は)不快そうだ。」と、答えが返ってきます。トムは、カトリンが男性脚本家たちの嫉妬の対象になっているのだと察し、「君の方が連中より優秀だ。」と、励まします。そして、カトリンをランチに誘います。



トムとカトリンは、ランチを食べに、近くのレストランへ出掛けます。トムは、ある企画が持ち上がっている事を、カトリンに打ち明けます。その企画とは、この年に、フランス北部にあるダンケルクの海岸で実行された作戦「ダンケルクの戦い」を脚本化する事でした。当時、イギリスの部隊がドイツ軍に包囲されて、700隻の漁船とイギリス海軍が部隊の救出にあたり、当時の新聞には、「海の天使たち」という見出しが大きく書かれました。部隊を救出した人の中には、父親の所有する船「ナンシー」号を使って救出にあたった双子の姉妹・ローズとリリーもいました。カトリンは、早速、情報省映画局から、彼女たちの取材を命じられ、自宅を訪ねます。しかし、実際に訪ねてみると、2人は、新聞社からの取材を強く拒む、とても警戒心の強い姉妹でした…。



この後、カトリンは、ローズとリリーの心を溶かしていく事ができるのでしょうか。さらに、カトリンは、夫・エリスから、離婚話を切り出されます。カトリンと違い、経済力がない事に劣等感を感じていたためでした。カトリンは、「私の収入があるから。」と、エリスを安心させようとしますが、エリスは…。また、カトリンと、俳優のアンブローズ、情報省映画局の役人フィル・ムーア(レイチェル・スターリング)、そして、情報省映画局の特別顧問であるトムらとの人間関係が心温まるものになっていく過程も必見ですよ。



この映画でメガホンを取ったのは、ロネ・シェルフィグ監督。デンマークの首都・コペンハーゲン出身の女性映画監督で、代表作に、「17歳の肖像」(2009年)、「ワン・デイ 23年のラブ・ストーリー」(2011年)があります。今回、そんなシェルフィグ監督とタッグを組んだ出演者は、過去に大変有名な映画に出演した人ばかりで、本当に驚きました。例えば、

・カトリン役:ジェマ・アータートン
「007/慰めの報酬」(2008年)※ボンドガールを務める。
パイレーツ・ロック」(2009年)
「ボヴァリー夫人とパン屋」(2014年)等に出演。

・トム役:サム・クラフリン
「あと1センチの恋」(2014年)
「世界一キライなあなたに」(2016年)で、
それぞれ、主人公の相手役を演じ、大勢の女性ファンの心を鷲掴みにしています。

・ロジャー役:リチャード・E・グラント
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(2011年)
ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」(2016年)等に出演。

・アンブローズ役:ビル・ナイ
「ラブ・アクチュアリー」(2003年)
「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2011年)等に出演。

・レイモンド役:ポール・リッター
「007/慰めの報酬」(2008年)
「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」(2009年)

このように豪華な顔ぶれが実現したのは、凄いですよね。とにかく、凄いですよね。もし、お時間があれば、上記の出演作もぜひチェックを。



最後に、少しだけ、この映画のシリアスな要素に触れたいと思います。この映画は、第2次世界大戦中の設定なので、もちろん、ドイツ軍による空爆のシーンも登場します。グレー一色の町の中で逃げ惑うカトリンや、空爆が終わった後に瓦礫の山に登り、絶望的な表情を浮かべる人々を観て、空爆の恐ろしさについて改めて考えさせられました。登場人物が発するブラックジョークに笑ったり、登場人物同士の見応えのあるやり取りを見ていると、この映画が戦争を題材にしている事を忘れそうになりますが、空爆のシーンで一気に現実に戻されたような気持ちになりました。

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