エニイ・ギブン・サンデー(1999年 アメリカ)

エニイギブンサンデー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
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アメフトのプロリーグ・AFFAのチームの一つであるマイアミ・シャークスは、最近、3連敗を喫し、試合の観客動員数が減少していました。シャークスのプレーオフまでの残り試合数はわずか3試合で、プレーオフ進出が危ぶまれていました。そんな中、シャークスは、ミネソタ・アメリカンズ戦を迎えます。試合の前半、背番号19のユニフォームを身に纏ったシャークスのクォーターバックで、過去にMVPを3度受賞した38歳のキャップことジャック・ルーニー(デニス・クエイド)が、アメリカンズの選手と激突し、その衝撃で倒れて動けなくなってしまいます。キャップは、心配して駆け寄ってきたチームメイトたち、チームドクターで外科医のハービー(ジェイムズ・ウッズ)に囲まれ、顔をしかめて、とてつもない背中の痛みに必死に耐えていました。しかし、ヘッドコーチのトニー(アル・パチーノ)は、「なぜ、ブロックをしない?」と、フィールドの外で愚痴り、取材に訪れていたマスコミも、キャップの身に起きた異変を見逃すまいと夢中でカメラのシャッターを切ります。その後、キャップは、どうにか自力で立ち上がり、背番号12のタイラーと交代します。ところが、タイラーも右膝を痛めて、倒れてしまいます。

やさしいアメリカンフットボール入門〈2012年度版〉
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そこで、トニーは、プロ選手となって5年目で、今シーズンからシャークスでプレーしている26歳のクォーターバック・ウィリー(ジェイミー・フォックス)を抜擢します。ウィリーは、フィールドに入ってすぐに、トニーから聞いた指示をチームメイトたちに伝えるのですが、緊張していたのか、その場で嘔吐してしまいます。その後、試合が再開され、ウィリーはアメリカンズの選手たちから兆発を受けますが、動じる事なく、正々堂々と彼らに立ち向かっていきます。しかし、ウィリーは、何を思ったのか、途中でトニーの指示した作戦を勝手に変えてしまいます。ウィリーのあまりにも突飛な行動に、トニーは勿論の事、チームメイトたち、そして、トニーを支えるコーチ・ニック(アーロン・エッカート)も、戸惑いを隠せませんでした。



試合は、ハーフタイムを経て、後半に突入します。ところが、後半に突入して早々に、ウィリーがアメリカンズの選手を殴り始めます。相手の顔が血だらけになるまで、容赦なく殴り続けるウィリー。この様子を見かねたトニーは、ウィリーに近付き、事情を尋ねます。ウィリー曰く、相手の動きが早過ぎてついて行けず、ついカッとなってしまったとの事。トニーは、もうクォーターバックの交代要員がいない事から、ウィリーがやる気をなくさないよう、懸命になって励まします。しばらくして、試合が再開されると、ウィリーはトニーの励ましのおかげで落ち着きを取り戻し、シャークスの選手になって以来初めて得点を挙げます。しかし、ウィリーの努力も空しく、シャークスはこの試合でも敗れ、連敗の記録が4に伸びてしまいました。



そんな中、カリフォルニア州知事が選挙の目玉公約として、宝くじの収益金でロサンゼルスにスタジアムを建設しようと考えている事が、シャークスの若きオーナー・クリスティーナ(キャメロン・ディアス)の耳に入ります。知事は、マイアミ市当局に圧力をかけていました。知事は、クリスティーナに、まず、シャークスを売却してもらい、そして、ロサンゼルスの新スタジアムを本拠地とする新チームを作ってもらおうとしていたのです。今なら、シャークスを2億5千万ドルで売却する事ができます。もし、新スタジアムが完成したら、シャークスの価値は、なんと、8億ドルに跳ね上がります。しかし、亡き父の後を継いで、シャークスのオーナーとなったクリスティーナは、父のシャークスに対する深い想いを考えると、シャークスを売却するなんて、とても考えられませんでした。



そこへ、トニーがクリスティーナを訪ねて来ます。あの4連敗を喫した試合をテレビで観戦していたクリスティーナは、シャークスがなかなか勝利を挙げられない現状を嘆き、シャークスがすっかり二流のチームとなってしまった事を正直に認めるようトニーに迫ります。しかし、トニーは、チームが弱くなった理由をフリーエージェントの制度のせいにします。クリスティーナは、チームを強化するためには、力の落ちたベテラン勢を引退させる事が大切だと訴えます。しかし、トニーは、各選手との絆が実に強く、契約を打ち切る勇気が出ません。やがて、両者の話し合いは激しい口論に発展してしまいます。



プレーオフまで残り2試合となっていたシャークスは、シカゴ・ライノスと対戦します。この日も、ウィリーはトニーの指示を無視する事に決め、チームメートたちに自ら作戦を指示し、その結果、見事に得点が入ります。テレビで観戦していたクリスティーナは、チームの活躍ぶりに大喜び。一方、またしても選手に勝手な事をされてしまったトニーは、ただただがっかりします。



そして、シャークスは、いよいよ、プレーオフ前としては最後の試合となるロサンゼルス・クルセーダーズ戦を迎えます。この日も、シャークスは、いつものように、クルセーダーズにリードを許していました。そんな中、シャークスの選手の一人が負傷したのがきっかけで、試合中にも関わらず、シャークスの選手同士で大喧嘩が始まり、トニーが仲裁に入ります。その後、大喧嘩が収まると、ウィリーがいつものように大活躍。シャークスは、久々に勝利を収める事ができました。試合後、シャークスの選手たちは、ロッカールームに戻ると、大歓声を挙げます。クリスティーナもロッカールームを訪れ、選手一人一人と握手して、労を労います。クリスティーナは、ウィリーと握手をした際に、ウィリーに口説かれますが、「選手とはデートしないの」と、はっきりとした口調で断るのでした。



シャークスの久々の勝利の立役者となったウィリーは、スター選手の仲間入りを果たします。マスコミから取材を受ける機会が増え、テレビCMに出演するようになり、街を歩けば次々にファンから声を掛けられ、数々のスポーツ雑誌の表紙も何度か飾りました。一方、キャップは、ウィリーの本業以外での活躍ぶりが気に入らず、プレーオフで自身が起用されるよう、黙々と練習に励んでいました。その熱意は人一倍すごく、トニーが体を休める事を勧める程でした。その頃、クリスティーナは、もし、シャークスがプレーオフに進んだ場合、満身創痍の状態にあるキャップではなく、若手のスター選手であるウィリーが起用される事を望んでいました。クリスティーナは、何としても自身の望みを叶えるため、ハービーに、キャップの怪我の治療をしないよう、頼み込みます…。



この映画でメガホンを取ったのは、オリヴァー・ストーン監督。ストーン監督は、シャークスの試合のテレビ中継で解説を務めるタッグ役で、出演もしています。実は、ストーン監督は、「プラトーン」(1986年)で爆死する司令官を演じたり、「ウォール街」(1987年)でトレーダーを演じたりと、監督と俳優を兼ねている映画が結構あります。俳優オリヴァー・ストーンの姿を見て楽しむのも、映画鑑賞の醍醐味ではないでしょうか。



また、映画監督オリヴァー・ストーンについても一つだけ触れたいのですが、この映画での映画監督としての魅力は、試合のシーンの音と映像の迫力を見事に表現している事です。選手のヘルメットとヘルメットがぶつかる瞬間のいかにも痛そうな音、絶え間なく続く観客の歓声、互いに挑発し合う選手たちのドスの利いた声、ハーフタイムのロッカールームで響く選手たちの大きな話し声や笑い声。時折、これらに、スローモーションの映像が合わさり、観る者により良い緊張感を与えています。



前半は、オリヴァー・ストーン監督の映画である事がいまいちピンと来なくて、シャークスの選手たちが淡々と試合を消化していくように感じていました。ストーン監督が、スポーツ映画を手掛ける事があまり多くないせいかもしれません。しかし、後半になると、登場人物たちの愚かさや悲しさが徐々に表れ、ストーン監督らしさが見えてきます。ジェイミー・フォックス演じるウィリーは、アメフトで力を付ける事で、アフリカ系アメリカ人の地位を高めたいと願い、アル・パチーノ演じるトニーは、長きにわたってアフリカ系アメリカ人の選手を数多く指導してきて、人種差別を一度もした事がないのをウィリーに理解してもらえず、爆発しそうな怒りを必死になって抑え、キャメロン・ディアス演じるクリスティーナは、どの選手が試合に出場したらチームが儲かるかだけを考えていて、商業主義を貫いているのは明らかです。しかし、この映画は、このままでは終わりません。上映時間2時間30分の間に、どのように物語が展開するのでしょうか。ご興味のある方は、ぜひご覧いただきたいと思います。

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