ブルックリンの恋人たち(2014年 アメリカ)

ブルックリンの恋人たち スペシャル・プライス [DVD]
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アメリカ・ニューヨークのブルックリンで生まれ育った大学院生・フラニー(アン・ハサウェイ)は、モロッコの遊牧民について研究するため、半年前からモロッコに住み、人類学の博士号の取得を目指しています。ある日、フラニーの元に、作家である母・カレン(メアリー・スティーンバージェン)から突然、電話が入ります。フラニーの弟で、大学を中退して、ブルックリンでストリートミュージシャンをしているヘンリー(ベン・ローゼンフィールド)が、交通事故に巻き込まれて、サットン記念病院に入院したというのです。ある日の夜、とある地下鉄の駅の構内でギターの弾き語りをしていたヘンリーは、帰りにヘッドホンをしながら歩道を歩いていた時に、背後から来たタクシーに轢かれてしまったのです。フラニーは、カレンに頼まれて、急遽、帰国します。

ブルックリンの恋人たち スペシャル・プライス [Blu-ray]
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フラニーは、帰国するとすぐに、サットン記念病院へ直行します。そして、病院に到着し、ヘンリーの病室に入ると、カレンが、懸命に涙をこらえながら、昏睡状態のヘンリーを見守っていました。その後、フラニーは、主治医から症状について説明を受けます。ヘンリーは、頭蓋骨のもろい部分があまりにも強い衝撃を受けた事で、血腫ができてしまい、非常に危険な状態にありました。カレンは、「『道を歩く時は両側を見て』と注意してきたのに」と、結果的にヘンリーが交通事故に巻き込まれてしまった事に責任を感じていたのと同時に、この事故の一部始終がフラニーとヘンリーの今は亡き父の耳に入る心配がないという安心感が心の片隅にありました。

ブルックリンの恋人たち(字幕版)
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その後、フラニーは、病院を出て、ブルックリンにある自宅に帰ります。病院を出る前、フラニーは、カレンから、(「フラニーの自室が箱だらけで散らかっているため)ヘンリーの部屋を使ってほしい」と、頼まれていました。早速、フラニーがヘンリーの部屋に入ってみると、そこには、有名ミュージシャンのジェイムズ・フォレスター(ジョニー・フリン)のポスターがたくさん貼ってあり、なんと、ヘンリーとジェイムズのツーショット写真も大切に飾ってありました。また、ここには、ヘンリーの自作の曲が収録されたCDも置いてありました。フラニーは、CDケースからCDを取り出し、早速、再生します。CDから聞こえてきたのは、普段、多忙を極めているフラニーにあまり期待はしてはいないけれど、どうか初めての自信作を聴いてほしいというボイスメッセージ、そして、魂のこもった歌声でした。

ブルックリンの恋人たち(吹替版)
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ヘンリーの自作の曲を聴いたもの、どうしたらヘンリーの力になってあげられるのか、まだ答えを見出せないフラニー。翌日、フラニーは、ヘンリーの病室を訪れます。フラニーは、ぽろぽろと涙をこぼしながら、姉としての至らなさをヘンリーに謝り、昨日から溜めていた不安を病院のトイレで爆発させます。実は、フラニーは、半年前、モロッコに旅立つ前に、ヘンリーと大喧嘩をしていました。姉弟で大喧嘩をしてしまったのは、この時が初めてでした。フラニーは、ヘンリーが大学を中退した事を知り、「とんでもない過ちだ」と、ヘンリーの決断を責め立てました。もしかしたら、大喧嘩でのやり取りがヘンリーとの最後の会話になってしまうのだろうか。フラニーは、悔やんでも悔やみきれませんでした。

ブルックリン散歩BOOK
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その後、フラニーは、自宅に戻り、ヘンリーの部屋で1冊の小さな日記帳を見つけます。そこには、ヘンリーのジェイムズを敬う気持ちや自作の詩等がびっしりと書き込まれていました。さらに、このノートには、1枚のチケットが挟んでありました。それは、6月1日8時に開演予定のジェイムズのライヴのチケットでした。フラニーは、ヘンリーに代わって、ライヴを観に行く事にします。

21 地球の歩き方 Plat ブルックリン (地球の歩き方Plat)
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ジェイムズのライヴは、フラニーが会場の観客スペースに着いたのとほぼ同時に始まりました。ステージに立ったのは、ジェイムズ1人だけでした。ジェイムズは、至ってラフな出で立ちで、ドブロ・ギター1本で、囁くように歌います。さらに、途中で美しい裏声を出したかと思うと、ドブロ・ギターを下ろして、今度はなんと、バイオリンの演奏を始めます。ジェイムズは、歌声の美しさといい、歌詞の世界観といい、楽器の演奏技術といい、観る者を惹きつける様々な魅力を持っていました。



ライブ終了後、ジェイムズは、観客からのサインや写真撮影の依頼に、気さくに応じていました。フラニーは、観客が作る行列には並びませんでしたが、観客が皆、帰宅の途に就いた後に、思い切って、ジェイムズに声を掛けます。フラニーは、緊張の面持ちで、ジェイムズを尊敬してやまない弟・ヘンリーが入院中である事、以前にヘンリーがジェイムズとのツーショット写真を撮ってもらった事、ヘンリーがジェイムズにファンレターを書いた事を伝え、ジェイムズにヘンリーの自作のCDを渡します。ジェイムズは、ヘンリーの容態を心配する気持ちをフラニーに伝え、CDを受け取るのでした。



翌日も、フラニーは、ヘンリーの病室を訪れます。この日も、ヘンリーは意識が戻っていませんでした。フラニーは、持参したパンケーキを食べさせようとしたり、しっかりと閉じている両方の瞼を強引に開けてみたりしましたが、どちらもあまり上手くいきませんでした。そんな時、ジェイムズがヘンリーのお見舞いに訪れます。フラニーは、まさかジェイムズと再会するとは夢にも思わず、思わず驚きの声を上げます。ジェイムズは、この日、カフェでコーヒーを2杯買い、しばらく通りを歩いていたら、たまたまサットン記念病院の近くを通りかかり、そして、昨夜、ライヴ後に、ヘンリーがこの病院に入院している事をフラニーから聞いていたのを思い出して、ヘンリーを見舞おうと思ったのです。ジェイムズは、2杯のコーヒーのうちの1杯をフラニーにプレゼントし、ヘンリーのCDを聴いた事、収録されていたヘンリーの自作の曲がとても気に入った事を伝えます。同じ曲を気に入っていたフラニーは、思わず笑みを浮かべ、もし、ヘンリーがジェイムズの感想を聞いたらきっと喜んでくれるだろうと思うのでした。



さらに、ジェイムズは、ヘンリーのために、「ここで、歌声を聴かせたい」とフラニーに申し出て、持ち歩いていたドブロ・ギターをケースから取り出します。フラニーが申し出を承諾すると、ジェイムズはヘンリーに届けとばかりに、ドブロ・ギターを弾きながら歌声を聴かせます。その間、フラニーは、ヘンリーの顔をじっと見つめ、ジェイムズの歌声がヘンリーに届いている事をただただ信じます。



歌を歌い終わったジェイムズは、その後、病室を後にし、フラニーは、病室の近くのエレベーターまでジェイムズを見送りに行きます。エレベーターが来るのを待つ間、フラニーは無意識にジェイムズを食事に誘います。ジェイムズの歌声に、ヘンリーだけでなく、自身も引き込まれてしまったが故の事なのかもしれません。ジェイムズは、全く迷う事なく誘いに応じます。これをきっかけに、フラニーとジェイムズは急接近するのですが、それは、2人にとって、わずか7日間の恋の始まりでした…。



この映画は、主人公が何か大きな目標に向かって進んでいく訳ではないので、観る人によっては単調な映画に思えるかもしれません。しかし、私は、様々な断片に癒される名作だと思いました。ブルックリンの夜景、名もなきニューヨーカーたちが住むアパートの部屋の家具やポスターにレコード、ジェイムズをはじめとするミュージシャンたちによるライヴハウスでの演奏、ライトが眩しく光るディスコで耳をつんざくようなディスコサウンドに合わせて踊る若者たち…。これらを目にすると、いつかニューヨークへ旅に出て、夜の街を散歩して、大人の階段を幾段か上がったような気分になりたくなります。



メガホンを取ったのは、この映画で監督デビューを果たし、脚本も手掛けたケイト・バーカー=フロイランド監督。「プラダを着た悪魔」(2006年)で、監督アシスタントを務めた人物です。フラニーを演じたのは、「プラダを着た悪魔」、「レ・ミゼラブル」(2012年)のアン・ハサウェイ。この映画の脚本に惚れこみ、フラニー役の他にプロデューサーも務めました。ハサウェイの顔の美しい輪郭とショートヘアとの組み合わせは最高で、いつまでも見つめていたくなりますよ。



ところで、なぜ、フラニーとジェイムズの恋がわずか7日間と決められているのでしょうか。そして、2人は、最終日を迎えた時に、どのようなフィナーレを迎えるのでしょうか。これらの答えを知りたい方は、ぜひこの映画を最後までご覧ください。因みに、私は実際にフィナーレを観ましたが、このフィナーレ、大好きです!いかにも映画らしくて大好きです!!

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