建築学概論(2012年 韓国)


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韓国・ソウルのとある設計事務所の一室。ある日の朝、所長(パク・スヨン)が出勤すると、部下にあたる建築士の男性・スンミン(オム・テウン)が、机の上でぐっすりと眠っていました。どうやら、前夜は残業が長引き、家には帰らずに、この部屋に泊まったようです。スンミンは、なんと、2日も家に帰っていませんでした。スンミンは、その間、自身が設計した建物の間取りを少々派手に変えていました。所長は、派手になってしまったのが気になる様子でしたが、スンミンは、「建築主には好評だ」と言って、所長を安心させようとします。所長は、「サウナに行ってこい。2時から会議だ。」と、スンミンに会議への出席を促します。と言うのも、2時から始まる会議には、その建築主が出席する予定になっているのです。しかし、スンミンは、早く家に帰りたい気持ちでいっぱいでした。


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そんな時、スンミンの友達と名乗る女性が、設計事務所を訪れます。女性は、スンミンの大学時代の友達のようですが、スンミンは全く思い出せません。女性は、大学1年生の時にスンミンと知り合ったソヨン(ハン・ガイン)でした。ソヨンは、音楽科に在籍していましたが、建築学科に在籍していたスンミンと同じ教養科目を履修した事があり、しかも、スンミンとはご近所同士の間柄でした。ソヨンは、最近、大学の同窓会名簿でスンミンの近況を知り、半信半疑でこの設計事務所を訪ねてみたと言います。スンミンは、ソヨンの話に耳を傾けるうちに、ソヨンの事を少しずつ思い出します。


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ソヨンは、3年前に医師と結婚し、夫婦2人で高級住宅街に住んでいました。大学卒業後、ソヨンは、放送部での経験を活かそうと、アナウンサーの採用試験に何度も挑みましたが、上手く行かず、やけくそになって、結婚したのです。ソヨンは、今、故郷である済州島に帰る計画を立てており、スンミンに新居の設計をしてもらおうと考えていました。スンミンには、住宅を設計した経験が全くありませんでしたが、ソヨンはそれでも構いませんでした。しかし、スンミンは、建築主の期待に応える自信がなく、粘り強く断り続けます。それに対して、ソヨンは、スンミンに設計してもらう事にどこまでもこだわります。スンミンは、「所長と部長に話を通さないと、叱られてしまう。」と言って、その場を上手く切り抜けようとします。しかし、実際に所長に話をしてみると、所長は快く引き受けてしまいます。



ソヨンは、寒い冬が訪れる前に新居を完成させたいと考えていました。早速、「一緒に現地へ行こう」と言い出すソヨン。しかし、スンミンは、なぜ、高級住宅街で優雅に暮らすソヨンが故郷に帰りたがっているのかが、まるで理解できませんでした。「済州島に家を建てるのは、投資なのか?」とソヨンに皮肉っぽく尋ねると、ソヨンは機嫌を悪くしてしまいます。ソヨンは余程繊細な事情を抱えているようです。スンミンは、車で帰宅しようとするソヨンを慌てて捕まえて、弁明します。スンミンがソヨンに依頼の理由を尋ねたのは、単なる興味ではありません。理想の家を建てるには、建築主がその家に住む理由を知る事が大切なのです。



その後、スンミンとソヨンは、済州島に向かいます。そこには、ソヨンの父・サンユン(イ・スンホ)が暮らしていた築30年の古い一軒家がありました。ソヨンは、スンミンに急いで家の設計をしてもらい、病気で入院中のサンユンが退院する日までに家を完成させようと考えていたのです。スンミンは、早速設計に取り掛かりますが、設計した家は、デザイン性を重視し過ぎていて、ソヨンの意にそぐわないものでした。



ここで、物語は、スンミンとソヨンが大学生だった15年前まで遡ります。ソウルにある大学の音楽科の1年生・ソヨン(ペ・スジ)は、ある日、建築学概論の授業に遅刻してしまいます。授業が始まる前にきちんと教室に到着していた学生の中には、建築学科の1年生・スンミン(イ・ジェフン)もいました。その後、授業が終わると、スンミンはバスに乗り、帰宅の途に就きます。このバスには、偶然な事に、ソヨンも乗っていました。ソヨンは、この日、建築学概論の授業に遅刻した上に、教授(キム・ウィソン)からの質問にも上手く答えられませんでした。スンミンとソヨンは、授業後に教授から課題を与えられていました。自分たちが住んでいる町を旅して、レポートにまとめるのです。スンミンは、ソヨンを声を掛ける事なくバスを降り、帰宅するとすぐに、レポートに使える写真を撮りに出掛けます。スンミンが訪れたのは、近くの公園でした。地面に寝転がり、カメラを構えると、そこへソヨンがやって来ます。2人は、ここで初めて言葉を交わします。その後、ソヨンは、たとえ勝手にスンミンと一緒に空き家に入っても全く平気で、タメ口でスンミンに話し掛けるのに対し、スンミンは、そんなソヨンにオドオドし、出てくる言葉は丁寧語ばかりでした。



数日後、今度は、家から一番遠い場所について調べるという課題が教授から与えられます。スンミンとソヨンは、ソウルの街を一望できる場所を訪れます。2人は、会話の中で1つの共通点を見つけます。2人は、既に片方の親を亡くしていたのです。スンミンは父を、ソヨンは母を亡くしていました。ソヨンは、持参していたポータブルCDプレーヤーに付いていたイヤホンの片方をスンミンに差し出し、一緒に音楽を聴いて過ごします。2人が聴いていたのは、韓国のフォークグループ「展覧会」の「記憶の習作」でした。数日前は、丁寧語しか出てこなかったスンミンでしたが、この時は、いつの間にか、自然にタメ口で話せるようになっていました。



ここで、物語は現代に戻ります。スンミンの設計がソヨンの意にそぐわず、スンミンは設計のやり直しをする事に。スンミンはソヨンと一緒に話し合いを進め、途中、スンミンの同僚で婚約者のウンチェ(コ・ジュニ)も加わり、3人で話し合った結果、サンユンの家は、一からの建て直しではなく、増築という案に落ち着きます。増築なら、順調に進めば、2か月で完了します。話し合いが終わった後、ソヨンは、サンユンの病室へ設計図を持っていきます。サンユンは、「やっと、家らしくなったな。」と安堵するのでした。



物語は、再び大学時代へ。スンミンは、同級生と一緒に、建築学科の先輩・ジェウク(ユ・ヨンソク)の部屋を訪ねていました。ジェウクは、ソヨンが所属する放送部の先輩でもあるのですが、普段、スンミンたちと一緒に過ごす事が多かったのです。ジェウクは、スンミンたちに女性の口説き方を伝授します。そして、話題はソヨンの美貌に。ジェウクは、ソヨンに期待をしていました。今、ソヨンはすっぴんで、それでも十分綺麗だが、2年生になって、化粧をするようになったら、もっと綺麗になると。



その後、スンミンは、帰宅途中でソヨンとばったり会います。ソヨンは、ある場所にスンミンを案内します。そこは、以前にソヨンがスンミンと一緒に入った空き家でした。ソヨンは、ほんの数日前に自分で空き家の中を整理していました。ここで、スンミンは、ソヨンからある衝撃の事実を聞かされます。ソヨンが建築学概論の履修を決めたのは、放送部の男子学生の中で一番モテるジェウクに近付くためだったのです。しかし、実際に、授業を履修してみると、ジェウクは、ソヨンの方になかなか振り向いてくれませんでした。ソヨンは、自分の考えを正当化すべく、「それじゃあ、いけない?」とスンミンに尋ねますが、スンミンは、この事実を聞かされたショックで言葉を失ったのと同時に、心臓が急に大きな音を立て始めるのを感じます。ソヨンを生まれて初めて異性として意識した瞬間でした…。



1組の大学生カップルの甘い初恋と15年後の再会とを交互に描いたこの映画は、韓国での観客動員数が400万人を超え、韓国の恋愛映画の興行成績の記録を塗り替える大ヒットとなりました。メガホンを取ったのは、大学時代に建築学を専攻したイ・ヨンジュ監督。大学卒業後、建築士として10年間働き、その後、映画監督に転身しました。



スンミンを演じたのは、大学時代がイ・ジェフン、現代がオム・テウンです。大学時代のスンミンは、とにかく恋に奥手で、見ていてモヤモヤした気分にさせられますが、それが一気に解消される瞬間もあれば、災いする瞬間もあります。とにかく、色々な意味でハラハラドキドキさせられ、一瞬の瞬きもできないキャラクターです。現代になると、スンミンは、ソヨンからの依頼に躊躇してしまうところに大学時代の面影を感じますが、ソヨンを叱咤激励する頼もしさもあり、興味深いキャラクターに変化しているのが素敵だと思いました。



ソヨンを演じたのは、大学時代がペ・スジ、現代がハン・ガインです。大学時代のソヨンは、とにかく可愛かったです。現代に繋がる負けん気の強さが垣間見えますが、まだ人生の荒波に揉まれていない頃なので、ほんわかとした気持ちで見ていられます。しかし、ソヨンは、現代になると、負けん気の強さが災いし、挫折続きの人生を送っていました。どの挫折も気の持ち様で回避できるものばかりなだけに、ソヨン自身が痛々しく見えて仕方がありません。しかし、ソヨンがスンミンと再会した目的は、家の設計の依頼だけではありません。結末が気になる方は、ぜひ一度チェックを。



また、スンミンが設計を手掛けた済州島の家の窓から見える海の景色は、とにかく絶景の一言に尽きます。とてつもなく大きな窓がもたらす効果だと思うのですが、海自体が物凄く圧倒されるくらいに広く感じられます。実際に映画に登場する家は、撮影のためだけに建てられましたが、映画の大ヒットを受けて、後に、「カフェ ソヨンの家」としてオープンし、済州島の観光名所となっています。済州島への旅行を計画されている方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?


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