恋におちて(1984年 アメリカ)


恋におちて [DVD]
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
2006-09-08

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト



1983年のクリスマスウイヴの朝、アメリカ・ニューヨーク郊外のウェストチェスターにあるアーズレイ駅で、モリー(メリル・ストリープ)が、満員の列車に乗車します。モリーは、この日、車を運転するつもりでしたが、車の調子が悪く、やむを得ず電車を利用する事にしたのです。その後、列車がダブス・フェリー駅に停車すると、建築技師のフランク(ロバート・デ・ニーロ)が乗車します。やがて、列車はグランド・セントラル駅に到着。モリーも、フランクも、この駅で下車し、2人共、公衆電話が設置されているコーナーへ移動して、モリーは、夫で医師のブライアン(デイヴィッド・クレノン)に、フランクは、妻・アン(ジェーン・カツマレク)に、電話を掛けます。


恋におちて [DVD]
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
2003-06-06

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト



電話を終えたモリーは、街の屋台でホットドッグを買い、大勢の客でごった返すデパートへ向かいます。ブライアンへのクリスマスプレゼントを買うためです。モリーは、会計を済ませると、父・ジョン(ジョージ・マーティン)が一人暮らしをしているマンハッタンのアパートを訪ねます。モリーは、ジョンの体調を心配し、自身の家で一緒にクリスマスを過ごす事を提案するのですが、ジョンは遠慮してしまいます。

その頃、フランクも、同じデパートを訪れます。向かったのは、4階でした。アンへのクリスマスプレゼントを買うためです。フランクは、会計を済ませると、親友のエド(ハーヴェイ・カイテル)の待つ高級レストランへ移動します。1年前から愛人・キャロルとの関係が続き、妻・スーザンとの離婚が時間の問題となっているエドを励まそうと、フランクが事前に予約していたのです。



その後、食事を終えたフランクは、近くにある「リゾーリ書店」に立ち寄ります。ガーデニングが趣味のアンのために、専門書をプレゼントしようと考えていたのです。そして、お目当ての専門書を見つけたフランクは、出入口のすぐ傍にあるレジで会計を済ませるのですが、アンへのクリスマスプレゼントの他に、6歳の長男・マイク(ウィリー・アール)、5歳の次男・ジョー(ジェシー・ブラッドフォード)にもクリスマスプレゼントを買っていたため、全てを抱えたままで外に出るのが難しい状況にありました。フランクは、反対側のレジにいた客にぶつかり、客の持っていた紙袋を破いてしまいます。その客とは、なんと、モリーでした。モリーは、ブライアンの好きなセーリングの専門書を買いに、「リゾーリ書店」を訪れていたのです。このアクシデントに最初に気付いたモリーは、フランクに謝り、レジにいた店員に声を掛け、新しい紙袋を求めますが、自身が持っていた予備の紙袋をフランクに使ってもらう事にします。2人が言葉を交わしたのは、これが初めてでした。



翌朝、フランクの自宅では、マイクとジョーがプレゼントの中身を早く知りたくて、包装紙を夢中で破いていました。また、フランクも、アンと一緒にプレゼントを交換していました。ところが、アンが受け取ったプレゼントの中に、フランクが買った覚えのない本が1冊混じっていました。それは、モリーが「リゾーリ書店」で購入したはずのセーリングの専門書でした。そして、フランクが購入したはずのガーデニングの専門書は、そこにありませんでした。フランクとモリーが「リゾーリ書店」のレジで、落とした荷物を拾っていた時に、荷物の一部が入れ替わってしまい、2人共、それに気付かずに帰宅したのです。同じ頃、モリーも、このアクシデントに気付きます。さらに、フランクが自宅に持ち帰るはずだったセーターに、ブライアンが袖を通していました。



3か月が経ったある日の朝、通勤のため、電車に乗っていたフランクは、偶然、モリーを見かけます。その後、グランド・セントラル駅で下車したフランクは、同じ駅で下車したモリーに近付き、声を掛けます。2人は、3か月前のクリスマスイヴの思い出話をして、大いに盛り上がったのですが、モリーがガーデニングの専門書を自宅に置いたままにしていたため、当然、肝心の本の交換は出来ませんでした。

フランクが職場である建設現場に着くと、上司の男性から、テキサス州ヒューストンへの1年にわたる転勤話を引き受けるか否かの返事を催促されます。しかし、フランクには、妻と2人の息子たちがいます。フランクは、「他の人に頼んでほしい。」と訴えますが、上司は、「ヒューストンでの仕事ができるのは、フランクしかいない。」と考えているため、妥協しようとしません。

一方、モリーは、マンハッタンで一人暮らしをしていたジョンが病気で入院したため、毎日のように病室を訪れて、看病していました。ジョンは、次の金曜日に退院する予定でしたが、どうやら、もう少し入院生活を続けなければならないようです。モリーは、ジョンと一緒に、生き別れた母親の思い出話をします。モリーの両親は、モリーが幼い時に離婚していました。モリーにとって、母親の記憶といえば、ジョンを相手に壮絶な夫婦喧嘩をする姿しかありませんでした。幼かったモリーは、母親の怒りに満ちた声が恐ろしいあまり、家に帰りたがらない事が多々ありました。



その日の夕方、モリーは、帰りの電車の中でフランクと再会します。ここで、2人は初めてお互いの名前を知る事になります。モリーは、主婦であり、広告用ポスターを手掛けるグラフィック・アーティストでもある事をフランクに伝えます。フランクは、建築技師をしている会社員である事だけをモリーに伝えると、次の金曜日に同じ路線の電車にモリーが乗る事を教えてもらい、ダブス・フェリー駅で下車するのでした。金曜日の朝、モリーは予定していた時間に電車に乗車します。フランクは、危うく乗り遅れるところでしたが、アンに車でダブス・フェリー駅まで送ってもらったおかげで、どうにか間に合いました。フランクは、モリーが座っていた2人掛けの椅子に座り、モリーと一緒に会話を楽しむのでした。

職場に着いたフランクは、この日もまた、ヒューストンへの転勤話の返事を急かされます。フランクは、相手の話を上手く切って、敷地内にある事務所に入り、モリーに電話を掛けます。実は、フランクは、ジョンの病室に繋がる電話番号をモリーから教えてもらっていたのです。目的は、モリーをランチに誘う事でした。2人は、病院の玄関前で会い、近くのレストランへ向かいます。これを機に、2人はデートを重ねていきます。



ある日、2人は、グランド・セントラル駅のカフェで食事をしていました。食事の途中で、モリーは、ある辛い過去を打ち明けます。それは、わずか2年前に、生後5日の娘を病気で亡くした事でした。しばらくの間、自分で自分を責めていたというモリーを、2児の父であるフランクは、大きな心で受け止めます。その後、2人は、帰りの電車に駆け込みます。この時の2人は、実に無邪気な表情をしていて、すっかりカップルと化していました。



数日後、モリーは、フランクの職場を訪ねていました。いつもと違い、元気のないモリー。フランクが理由を聞くと、ジョンの入院生活が長引き、しかも、手術の可能性がある事を打ち明けられます。さらに、モリーは、お互いに既婚者だと分かっているのに、フランクに会いたい気持ちを抑えられない自分を許せずにいました。2人は、同じ日の夕方に再びグランド・セントラル駅で会う約束をして、一旦、別れます。



そして、夕方になり、先にグランド・セントラル駅に到着したモリーは、フランクが来るのを待っていました。しかし、フランクは、仕事がなかなか終わりません。しかし、待ち合わせの時間に間に合うかどうかというところで、半ば強引に仕事を切り上げ、タクシーで駅に向かいます。駅に着くと、モリーと一緒に乗るはずだった電車が出発してしまったところでした。しかし、モリーは、フランクの背後に立っていました。フランクは、モリーに近付くと、周りを注意深く確かめながらフラットホームの端へ彼女を連れて行き、突然、彼女の唇にキスをします。モリーは消える事がとても考えられなかった罪悪感がすっと消えてなくなり、思わず笑みがこぼれます。そして、フランクの口からは、「愛してる」という言葉が無意識に出るのです…。



いやあ、物語の急展開ぶりが凄かったですねえ。「恋におちて」が名作である事は以前に聞いた事がありましたが、メーンキャストの心境の変化がこんなに恐ろしい映画を観たのは初めてかもしれません。ロバート・デ・ニーロ演じる良き夫&良き父親が、気が付けば、妻とは別の女性を愛してしまっているんですよ。メリル・ストリープ演じる真面目な主婦が、いつまでも罪悪感を抱えながら彼とのデートを繰り返していたのが、気が付けば、彼とのキスに幸せを感じているんですよ。私は、個人的に不倫はしたくはありませんが、これはもう、典型的な不倫の物語ではないと認めざるを得ません。お互いに何らかの愛情表現をしたいという衝動を見事に表現したデ・ニーロとストリープの2人が、この映画を名作にしているのだと思いました。いやあ、本当に見応えのある映画でした。


恋におちて [DVD]
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
2006-09-08

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

アールグレイ
2018年12月15日 05:55
記憶の捏造かもしれませんが・・・
フランク(ロバート・デ・ニーロ)の妻に気づかれ、「関係を持ったのか」と問われ、「ない」と答えたとき、妻は「それがイヤだ」というようなシーンがあったと思うのですが・・・私はこの一言にとても感動しました。
2018年12月15日 12:05
フランクと妻・アンの夫婦関係が消滅する瞬間を描いた、あのシーンですね。私も、非常に印象に残りました。

2人のやり取り、少々長い沈黙から来るあの緊張感は、凄いですよね。いかに、アンが夫婦の間の隠し事の存在を嫌がっているのかが、凄く伝わってきました。

この記事へのトラックバック