めぐり逢わせのお弁当(2013年 インド・フランス・ドイツ)


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インドの西部にある大都市・ムンバイ。ある日の朝、アパートの一室で、主婦のイラ(ニムラト・カウル)がいつものように家事や育児に追われていました。学校へ登校する時間が迫っている娘・ヤシュヴィ(ヤシュヴィ・プニート・ナーガル)の支度を手伝い、それが済むと、今度は、既に出勤途中の夫・ラジーヴ(ナクル・ヴァイド)のお弁当作りです。ラジーヴは、仕事で多忙なあまり、家庭を顧みない状況が続いており、イラは、心を込めて作ったお弁当をラジーヴに食べてもらう事で、夫婦仲を修復できたらと考えていました。


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その後、お弁当が完成して、しばらくすると、自転車にたくさんの荷物を積んだ男性がやって来ます。この男性は、各家庭で作られたお弁当を、自転車や電車を使って、依頼主の家族が働く職場へ届ける配達人、いわゆる「ダッバーワーラー」で、毎日、ラジーヴに届けるお弁当を取りに来ていました。この日も、イラは、いつものように、お弁当を「ダッバーワーラー」に託すのでした。





同じ日、初老の男性・サージャン(イルファン・カーン)の勤める保険会社に、孤児として育った青年・シャイク(ナワーズッディーン・シッディーキー)が新たに入社し、サージャンと同じく損害査定部に配属されます。前の会社に在職中にサウジアラビアで主任会計をしていたシャイクは、間もなく早期退職するサージャンが長年担当してきた業務を引き継ぐ事になっていました。数時間後、昼食の時間が訪れ、サージャンは、いつものように、会社の近くにある飲食店から届けられたお弁当の蓋を開けます。ところが、実際に蓋を開けてみると、中身がいつもと違っていました。少し味見をしてみると、いつも以上に美味しく仕上がっています。


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サージャンは、あっという間にお弁当を平らげ、お弁当箱は、飲食店ではなく、なぜかイラの元に戻ります。イラは、お弁当箱が見事に空になっている事に驚いて、ラジーヴが食べてくれたものと思い込み、この日の朝、お弁当作りの時にスパイスを貸してくれた自身のおばにお礼を言います。同じアパートの上の階に住み、15年にわたり、昏睡状態にあるおじの介護をしているおばは、「言っただろう。(良いスパイスを使って、お弁当を作れば)夫婦仲は上手く行くんだよ。」と、自室から返事をするのでした。夕方、イラの自宅にラジーヴが帰宅し、イラがお弁当の味の感想を求めると、ラジーヴの口からは、この日、イラが使っていないはずのカリフラワーの味の話が出てきます。一体どこで何があったのか、イラは皆目見当が付きませんでした。



一方、サージャンは、会社の近くにある飲食店を訪れ、間もなく会社を退職するのを理由に、お弁当のサービスを解約する旨を伝えます。そして、今日のお弁当が凄くおいしかった事も伝え、誰が作ったのかを店主に尋ねると、店主は「ウチで作りました」と返事をします。店主は、カリフラワーを入れたお弁当が評価されたものと思い込んでいましたが、実際にカリフラワー入りのお弁当を食べたのは、サージャンではなく、ラジーヴでした。つまり、ラジーヴが食べるはずのお弁当がサージャンの元に、サージャンが食べるはずのお弁当がラジーヴの元に、間違って届いてしまったのです。



イラは、ラジーヴの口からカリフラワーの話が出て、しばらくしてから、あってはならないアクシデントが発生した事にようやく気付き、この日の夕食後に、おばにある相談をします。翌日、サージャンの勤める保険会社に、またしても、イラが作ったお弁当が届けられてしまいます。しかも、この日は、「このお弁当は、今日もラジーヴには届かないだろう」とイラが考えたのか、自ら忙しい合間を縫って、間違ってお弁当を食べた人に宛ててしたためた手紙が添えられていました。この手紙は、イラが、おばに勧められてペンを執ったもので、ラジーヴが、間違えて、誰か他の人が作ったお弁当を食べてしまい、それに気付かなかった事を思い知らせる目的もありました。また、イラが作ったお弁当には、ラジーヴの好物のパニール(※インドで食べられている、独特な製法でできたカッテージチーズの事)も添えられていました。



夕方、空になってイラの元に帰って来たお弁当箱には、サージャンからの手紙が入っていました。イラは、てっきり礼状かと思い、早速読んでみるのですが、手紙には、「今日のは塩辛かった」とだけ書いてありました。イラから報告を受けたおばは、サージャンに渡すお弁当のおかずにチリを加えたら、サージャンにイラへの感謝の気持ちが芽生え、それを手紙にしたためてくれるのではと提案しますが、イラはそこまでやろうとは思いませんでした。



ある日、サージャンは、仕事中にシャイクに声を掛けられます。最近、シャイクは、サージャンにとって、少々鬱陶しい存在になりつつありました。シャイクは、常に決められた時間をきっちりと守り、シャイクの一挙手一投足を注意深く観察していて、サージャンは、そんなシャイクの真面目すぎる性格に、息が詰まりそうになっていたのです。シャイクは、サージャンが食べるお弁当の匂いが素晴らしいのを褒めたところまでは良かったのですが、サージャンが既に妻を亡くし、1人暮らしをしているのを知らずに、サージャンの妻は料理上手だと褒めてしまい、サージャンを黙らせてしまいます。



翌日も、サージャンの元に、イラが作ったお弁当が届きます。サージャンは、早速蓋を開けますが、この日はなぜか手紙が入っていませんでした。サージャンは、とりあえず、おかずを口に運びますが、尋常ではない辛味が一気に口の中に広がっていきます。実は、サージャンに「今日のは塩辛かった」と、お弁当の味を手紙で指摘されたイラが、一度は断ったおばの提案を、一転して受け入れ、実行に移したのです。この日、イラの元に帰ってきたお弁当箱に入っていた手紙には、あまりにも多くの数のチリが使われていた事、物凄く痺れるような辛さにどうしても耐えられず、バナナを2本頬張った事が書かれていました。



さらにその翌日、サージャンの元に届いたお弁当に、イラが書いた手紙が添えられていました。そこには、ラジーヴがあまり口を利いてくれない事、朝にラジーヴが出勤し、娘が学校へ登校した後にこのお弁当を作っている事、同じアパートの上の階に、自身のおばが住んでいる事、おばが15年間昏睡状態にあるおじの介護をしている事など、身の上話が延々と書き綴られていました。サージャンは、一つ一つの事柄に対して丁寧に返事を書き、空になったお弁当箱に添えるのでした。



ある日の夜、イラは、久しぶりに自宅でラジーヴと他愛もない会話をしていたのですが、その時にラジーヴからある事を指摘されます。「毎日、必ず、お弁当にカリフラワーが入っている。カリフラワーをストックしているのか?」と。そして、「毎日はやめてくれ。ガスが出るんだ。」と頼んでくるのです。ラジーヴは、最近になって、カリフラワーが毎日お弁当に使われるようになったのが不思議でしょうがない様子です。イラは、自分が作るお弁当が毎日違う場所に届けられているとは、とても言えませんでした。サージャンに宛てた手紙に身の上話を書くようになり、サージャンと親しくなりかけていただけに、ラジーヴに真実を明かすのがとても怖かったのです。しかし、サージャンとの手紙のやり取りは、どうしても止められませんでした…。



インド・ムンバイ出身のリテーシュ・バトラ監督の長編デビュー作であるこの映画は、本国インドのみならず、ヨーロッパ各国でも大ヒットし、2013年に、第66回カンヌ国際映画祭国際批評家週間で、観客賞を受賞しました。イラ役を演じたのは、4か月に及んだオーディションで選ばれた舞台女優のニムラト・カウル。そして、サージャンを演じたのは、「スラムドッグ$ミリオネア」(2008年)や「ライフ・オブ・パイトラと漂流した227日」(2012年)に出演したイルファン・カーンです。



この映画のポイントは、2つあります。1つは、「ダッバーワーラー」や、カレー、チャパティ(ナンを円形にしたような食べ物)、パニールなどのインド料理といった様々なインド文化を目で楽しめるところです。特に、昼食の時間帯にインド料理の数々を眺めたら、大至急、空腹を満たしたいと思えますよ。そして、もう1つは、イラとサージャンが書く手紙です。お互いにお弁当箱に忍ばせる手紙には、文通を思い浮かべたくなるような昔懐かしい温もりが感じられ、2人の友情が徐々に深まっていく様子に魅了されました。実は、2人は、クライマックスで、カフェで会う約束をするのですが、その待ち合わせのシーンには、胸を締め付けられてしまいました。2人はついに会えるのか、それとも、…。気になる方は、ぜひご覧いただきたいと思います。


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