初恋のきた道(1999年 中国)


初恋のきた道 [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2007-05-30

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都会で働くユーシェン(スン・ホンレイ)は、小学校で教師をしていた父・チャンユーが急死した事を知り、一人残された母・ディ(チャオ・ユエリン)を心配して、数年ぶりに故郷の小さな農村・三合屯へ向かいます。数年ぶりに戻ってきた故郷は、若者が皆、都会へ出ていき、昔ほどの活気が感じられませんでした。ユーシェンは、実家に到着してすぐに訪ねてきた村長や村人から、チャンユーが亡くなった経緯を聞かされます。チャンユーは、かねてから地元の学校の校舎の立て直しを要望していました。そして、ようやく要望が通ったのですが、そのための資金が足らず、老体に鞭打って、吹雪の中、資金集めに奮闘していました。しかし、無理がたたって、心臓の病で倒れてしまい、帰らぬ人になったのです。


初恋のきた道
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ユーシェンは、病院の霊安室で眠っているチャンユーを迎えに行かなければなりませんでした。ユーシェンは、村に働き盛りの年齢の男たちがほとんどいない事から、チャンユーを車で連れて帰るつもりでいました。しかし、村には、男たちが棺を担ぎ、故人の家まで歩くという風習があり、これを頑なに守りたいディは、ユーシェンの考えに強く反対します。さらに、ディは、棺の上に掛ける布を、ユーシェンに買ってきてもらうのではなく、自分で機織り機を使って織ると言い出します。ユーシェンは、ここまで言われると、もうディの意志を尊重するしかありませんでした。



やがて日が沈み、ディはひたすら機を織っていました。その頃、ユーシェンは、両親の若かりし頃の写真を見つけ、以前に両親から聞かされた馴れ初め話を思い出していました。チャンユーとディが村で出会ったのは、チャンユーが20才、ディが18才の時でした。都会で暮らしていたチャンユーが村の小学校に赴任し、彼を出迎えた村人の中にディがいたのです。



チャンユーが赴任した当時、まだ校舎がなかったため、村の男たちが総出で校舎を建てていました。村では、建物を立てるのは必ず男たちと決まっていました。そして、女たちは、男たちのために食事を毎日用意していました。また、村で建物が完成すると、梁に赤い布を巻く風習があるのですが、赤い布を織る役割を担ってきたのは、その時に村で最も美しいと言われる娘たちでした。ちなみに、この新しい校舎に使う赤い布を織る役割に抜擢されたのは、ディでした。ディは、機織り機を使い、懸命に赤い布を織り続けるのでした。


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やがて校舎が完成し、授業が始まります。チャンユーや子どもたちの声が響く校舎の外には、大勢の村人たちが見物をしに集まっていました。集まった村人たちの中にはディもいました。ディは文字の読み書きを習った事がありませんでしたが、文章を朗読するチャンユーの声が好きで、毎日学校へ足を運んでいました。やがて、他の村人たちは学校自体に飽きてしまいましたが、ディは全くそんな事はありませんでした。



ある日、ディは、家から学校までの距離が長い子どもたちをチャンユーが家まで送り届けている事を知り、チャンユーたちが通るであろう道の途中で待ち伏せします。しばらくすると、チャンユーたちが歌を歌いながらやってくるのですが、ディは、いざチャンユーの顔を見ると胸が高鳴ってしまい、少し離れた場所からチャンユーの様子を見る事にします。チャンユーは、遠くからチラチラと自分を見つめるディの視線に気付き、子どもたちの様子を見ながら、何度か視線をさりげなくディの方に向けるのでした。数日後、ディは再びチャンユーを待ち伏せします。そして、子どもたちを連れたチャンユーの姿が見えると、今度は勇気を振り絞り、至近距離まで近付いて、どうにか会釈をする事ができました。チャンユーは、子どもたちから、会釈をした相手の女性の名前がディである事を教えてもらいます。チャンユーとディの距離がようやく縮まった瞬間でした。



数日後、チャンユーは、ディが視力を失った母と一緒に暮らす家で朝食を摂ります。チャンユーは村役場に住まわせてもらい、食事は、毎日村人たちが交代で自分たちの家で作り、チャンユーに食べに来てもらっていました。ディは腕によりをかけて朝食を作り、満面の笑みでチャンユーを出迎えます。チャンユーは、ディの母と楽しく会話をしながら料理を口に運んでいきます。ディは、味がチャンユーの口に合うのかどうかが気になり、皿洗いに集中できません。



この時、母はディの恋心に気付いていました。そして、チャンユーが出勤した後に、なんとチャンユーの事を諦めるよう諭します。理由は、2人の身分の違いでした。もし、ディがチャンユーの事を想い続けたら、身分が違うせいで「好きにならなければよかった」と後悔する時がいつか訪れるのではないか。母はディの心が傷付く事を恐れていたのです。そして、母の予感が的中したのか、チャンユーが突然、その日のうちに、ディに別れを告げます。「急に町へ帰らなければならなくなった」とディに説明するチャンユー。学校の授業があるので、旧暦12月8日には村に戻ってくると言うのですが…。



パオ・シーの同名タイトルの小説が原作のこの映画は、第50回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しました。ユーシェンが故郷に帰るシーンをモノクロで、チャンユーとディの若かりし頃をカラーで撮影しているのが特徴です。監督は、「あの子を探して」のチャン・イーモウ。今では世界的な映画スターとして知られるチャン・ツィイーが映画に出演したのはこの時が初めてで、若かりし頃のディを好演しています。



以前から、チャン・ツィイーの可愛らしさが印象的だという評判は聞いていましたが、実際に観てみると、本当にその通りでした。例えば、ディがチャンユーと出会うシーンでは、大きな瞳をキラキラと輝かせ、チャンユーに興味津々な様子がとても微笑ましいです。また、ディが初めて子どもたちと一緒に歩くチャンユーを待ち伏せするシーンでは、ディは、胸が高鳴って、シャイな表情を見せるのですが、その様子がとても自然な感じで、初恋の時の女性の気持ちを的確に表現しているなあと思いました。チャンユーは、そんなディに気付きながらも、子どもたちの方に気持ちを集中させています。2人の気持ちの落ち着きようの違いがはっきりしている事で、初々しい少女が年上の青年を好きになる甘酸っぱさが画面いっぱいに広がり、強く印象に残るシーンに仕上がっています。観た後の余韻が凄く爽やかな名作でした。


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