ツォツィ(2005年 南アフリカ・イギリス)


ツォツィ スペシャル・プライス [DVD]
Happinet(SB)(D)
2014-11-05

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南アフリカのスラム街で暮らすデビッド(プレスリー・チュエニヤハエ)は、南アフリカ南部で使われているソト語で「不良」を意味する「ツォツィ」と名乗り、毎日のように仲間たちと一緒に近くの駅に足を運んでは、カモを見つけ、金銭を強奪する毎日を送っていました。ある日、いつものように駅にやってきたツォツィたちは、一人のスーツ姿の男性に狙いを定め、満員電車に乗り込みます。そして、男性の姿を見つけると、人込みを掻き分けて近付き、作戦を実行します。ポケットから財布を抜き取り、男性が驚くと、その瞬間に、なんとアイスピックで腹部を刺してしまったのです。電車が次の駅に到着した時には、男性は息を引き取っていました。


ツォツィ
青山出版社
アソル フガード

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ツォツィの仲間でリーダー格のボストン(モツスィ・マッハーノ)は、金銭を奪うところまでは想定していましたが、まさか仲間が相手の命まで奪うとは夢にも思わず、恐怖のあまり、吐き気を催します。ボストンは、ツォツィを「やりすぎだ」と責めますが、ツォツィはボストンの言葉に激高し、ボストンを蹴り倒した上に、馬乗りになり、容赦なく殴り続けます。ボストンの右の瞼は大きく腫れ上がり、体中が血だらけになっていました。


「ツォツィ」オリジナル・サウンドトラック
ビクターエンタテインメント
2007-04-11
サントラ

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ボストンたちの元を離れたツォツィは、高級住宅街を歩いていました。1軒の豪邸の前を通りかかると、停まっていた1台のBMWから豪邸の住人らしき若い女性が降りて、自宅に入ろうとしていました。すると、ツォツィは、持っていた銃を取り出して、女性を脅します。そして、BMWを奪うと、運転席に乗り込み、走り去っていきます。



過去に車を運転した事がなかったツォツィは、車を大きく蛇行させながら、かなりのスピードを出していました。その最中、突然、後部座席から赤ん坊の声が聞こえてきます。女性は、まだ生まれたばかりの我が子を後部座席に乗せて、外出していたのです。ツォツィは、車を停止させ、赤ん坊を置いて立ち去ろうとしますが、ボストンに責められた時の事を思い出したのか、或いは、心のどこかに少しは良心の欠片があったのか、車内にあった紙袋に赤ん坊を入れて、スラム街へ連れて帰ります。



こうして、赤ん坊を連れて帰り、世話をし始めたツォツィでしたが、赤ん坊との接し方をよく知らないため、その方法はまさに自己流でした。オムツ交換の時には、オムツがない代わりに、新聞紙を適当に体に巻きつけてみたり、赤ん坊がミルクを欲しがった時には、練乳のような液体を口の中に突っ込んだ結果、体中に蠅が止まったりと、衛生的にとても褒められたものではありませんでした。



そこで、ツォツィは、赤ん坊にはきちんと世話ができる女性が必要と考え、生まれたばかりの我が子をおぶってスラム街を歩いていた若い女性・ミリアム(テリー・ペート)に目を付け、彼女の自宅まで後を追います。そして、ミリアムと目があった瞬間、ツォツィは銃を突きつけ、自分が連れてきた赤ん坊への授乳を要求します。最初は何が何だか分からず、ただ怯えていたミリアムでしたが、やがて毅然とした態度を取るようになり、要求に従います。ツォツィは、ミリアムを信頼できると確信し、ミリアムに赤ん坊を預かってもらう事にします。



ツォツィは、ミリアムに赤ん坊を預かってもらうからにはある程度の費用が必要だと考え、普段、行動を共にしているアープ(ケネス・ンコースィ)、ブッチャー(ゼンゾ・ンゴーベ)を誘い、ある場所に強盗に入る決意をします。そこは、赤ん坊が両親の愛情に包まれて暮らしていた、あの豪邸でした。



アソル・フガードの小説が原作となっているこの映画は、2006年に第78回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞、アフリカ映画史上初の快挙を成し遂げました。原作では1960年代という設定ですが、映画では、アパルトヘイト政策が廃止されてから10年後という設定になっており、アパルトヘイト政策の時代が終わって久しくなってもなお、アフリカ系の国民が人種差別や経済格差に苦しみ続けている現状を観る者に訴えかけています。





プレスリー・チュエニヤハエ演じるツォツィが取る、罪悪感のない行動の数々に、当時の南アフリカのスラム街の現状がよく表れているのではないかと思いました。ツォツィは、顔にはあどけなさが残り、連れてきた赤ん坊を見捨てない優しさを持っています。しかし、リーダー格のボストンを殴り続ける様子や、平気で車を強奪して無免許運転をしている様子、金銭を強奪シーンで見られる金銭に対する執着心の強さなどを観ていると、アパルトヘイト政策が廃止された後も、人種差別や経済格差が原因で、孤独感が消えず、犯罪に手を染める若者が後を絶たないという現実が伝わってきます。ラストシーンでは、ツォツィの頬を一筋の涙がこぼれ落ちる瞬間があるのですが、この涙に南アフリカのスラム街の全てが詰まっていると思いました。普段知る機会の少ないテーマだけに、ぜひご覧いただきたい映画です。


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