父 パードレ・パドローネ(1977年 イタリア)


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この映画の原作者・ガヴィーノ・レッダ(本人)が1本の木の枝から伸びる小枝をそぎ落としています。小枝の最後の1本をそぎ落とし、それを渡した相手は、若かりし頃の自身の父親・エフィジオ(オメロ・アントヌッティ)でした。


父パードレ・パドローネ―ある羊飼いの教育 (朝日選書)
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エフィジオは、イタリア・サルデーニャ島で羊飼いをしていました。エフィジオには、ガヴィーノ(ファブリツィオ・フォルテ)という、6歳になる長男がいましたが、ガヴィーノが小学校に通学している事が気に入りませんでした。小学校で無駄な時間を過ごすよりも、一人の羊飼いとして必要な事を父である自分が叩き込む事の方が、生活していく上では重要だと考えていたのです。エフィジオは、大人になったガヴィーノから受け取った木の棒を片手に、6歳のガヴィーノが授業を受けている小学校の教室を訪れ、担任の先生の反論に耳を傾けずに、通学の禁止を息子に言い渡し、嫌がる息子の小さな手を引いて、帰宅の途に就くのでした。


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小学校への通学を固く禁じられたガヴィーノは、エフィジオから大自然の中で生きる術や酪農の基本を徹底的に叩き込まれます。しかし、エフィジオの英才教育は、簡単には上手く行きません。ガヴィーノが自分の言う事を聞かない時には、延々と平手打ちを繰り返し、鋭い目つきで睨まれれば威嚇していました。エフィジオは、自分のしている事に自信を持っていました。



14年後、ガヴィーノは相変わらずエフィジオに反抗する、20歳の無口な青年になっていました。エフィジオは、いつまで経っても自分の思い通りにならない息子の事で悩む日々を送っていました。そんなある日、とてつもない寒波がサルデーニャ島を襲います。エフィジオが大事に守ってきたオリーブ畑は全滅し、島で暮らす使用人たちも、相次いで移住を決意します。ガヴィーノもドイツへの移住を試みます。ガヴィーノがまず行ったのは、移住しようとしていた使用人の一人に申請書類の代筆を頼む事でした。ガヴィーノは、文字の読み書きを学ぶ前に小学校への通学を禁じられたため、文字の読み書きが全くできないのです。また、それと同時に、ガヴィーノは、エフィジオに自分が移住する事を許してもらえるよう、使用人たちに自分の代わりに説得してほしいと頼みます。



こうして、使用人たちと一緒に故郷を離れ、無事に移住する事ができたかに思えたガヴィーノでしたが、書類審査で不備が見つかってしまいます。移住への同意を認めるエフィジオのサインがなかったのです。ガヴィーノは、文字の読み書きができない事を訴えた結果、審査官の一人が文字の代わりに十字型を書いたらどうかと提案し、ガヴィーノはそれに従いますが、移住計画は失敗に終わってしまいます。



ガヴィーノがエフィジオの元に戻った後、エフィジオは、家畜のヤギと一部の土地を除く全ての財産を処分して、ガヴィーノをはじめとする子どもたちの就職先を勝手に決めてしまいます。ガヴィーノの妹たちには、町に働きに出るよう命じ、弟たちには、他の家の使用人になるよう命じ、そして、ガヴィーノには、軍隊に志願して、ラジオ技師を目指すよう、命じます。ガヴィーノは、父に命じられるがままに進路を歩むしかありませんでした。



軍隊に入隊したガヴィーノを待ち受けていたのは、文字の読み書きを知らぬが故の恥の数々でした。故郷の方言であるサルデーニャ語しか話せず、主語と述語の組み合わせは間違ってばかり。ガヴィーノは、方言を使った罰として、上官から外出を禁止されてしまいます。さらに、研修では黒板に書かれた文字の読み方がさっぱり分からず、上官からの質問に答えられません。ガヴィーノは、一大決心をして、標準語を独学で習得する決意をします。日常生活や軍隊生活で必要な単語を繰り返し小声で唱える事で、少しずつ単語を自分のものにしていくガヴィーノは、やがて、ある夢を抱くようになるのですが…。



この映画は、父との確執を経て、後に言語学者となるガヴィーノ・レッダの自伝を映画化したものです。1977年のカンヌ国際映画祭では、グランプリと国際批評家大賞を受賞しました。映画の冒頭とラストにはガヴィーノ本人が登場し、幼い頃の自身、そして、父との決別が決定的となった後の自身について語っています。この映画で描かれている世界は、今の時代ではほとんど考えられない事ばかりです。息子が小学校へ通学するのを父親が阻止したり、息子が父親に逆らえば、長い時間をかけて平手打ちをしたり、成長した息子が何か欲しいものがあれば、飼っていた羊をその場であっさりと刺して、「これと交換してほしい」と頼んだりと、思わず声を上げてしまうような怖い場面がいくつもありました。でも、このような怖さが今の時代ではかえって新鮮に感じられるので、これが昔の映画ならではの興味深い点ではないかと思いました。


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