ニュー・シネマ・パラダイス(1989年 イタリア フランス)





1980年代のイタリア・ローマ。映画監督のサルヴァトーレ(ジャック・ペラン)は、帰宅してすぐに、母・マリア(プペラ・マッジョ)から留守中に1本の電話が入っていた事を知ります。それは、故郷・シチリア島のジャンカルド村にある映画館・パラダイスで映写技師をしていたアルフレード(フィリップ・ノワレ)の訃報でした。その訃報を耳にした瞬間、サルヴァトーレの脳裏には、パラダイスに何度も通い詰めた少年時代の思い出が、まるで走馬灯のように蘇るのでした。


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少年時代のサルヴァトーレ(サルヴァトーレ・カシオ)は、シチリア島のジャンカルド村で母・マリア(アントネラ・アッティーリ)、妹と暮らし、いつもトトと呼ばれていました。ある日、トトは、マリアからおつかいを頼まれますが、どうしても大好きな映画を観に行きたくなり、マリアから預かったお金をパラダイスの入場料に使ってしまいます。これほどまでにトトを魅了していた当時のパラダイスの上映作品には、ある共通の特徴がありました。それは、キス・シーンが一切ない事でした。映画が封切られる前に必ず、地元の教会の司祭(レオポルド・トリエステ)による検閲が行われ、司祭がキス・シーンを発見すると、アルフレードにフィルムのキス・シーンの部分をカットさせていたのです。


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やがて、トトは、映画を観るだけは物足りないと思うようになり、パラダイスの映写室に入り込む機会を窺うようになります。しかし、アルフレードは、簡単に首を縦に振ろうとしませんでした。当時用いられていたフィルムは可燃性で、とても子どもが安全に扱えるものではなかったのです。しかし、その後もトトは粘り強く機会を窺い、ついに映写室に足を踏み入れます。まだ幼いトトの視界に飛び込んできたのは、司祭の判断でカットされたキス・シーンのフィルムの数々でした。トトは、宝物として、それらを集めるのでした。


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しかし、トトをはじめ、パラダイスをこよなく愛してきた村人たちに悲劇が襲い掛かります。なんと、パラダイスで火事が発生し、全焼してしまったのです。火事の原因は、あの可燃性のフィルムでした。映画の上映中にフィルムに火がついたのが原因で、あっという間に火が燃え広がったのです。トトは、懸命になってアルフレードを救出しますが、アルフレードは火傷が原因で失明してしまいます。その後、パラダイスは再建され、失明したアルフレードに代わり、トトが映写技師となります。検閲は廃止され、フィルムも不燃性のものが用いられるようになりました。



数年後、立派な青年に成長したトト(マリオ・レオナルディ)は、銀行家の娘・エレナ(アニェーゼ・ナーノ)と恋に落ちます。しかし、エレナの父親はトトの事を認めようとはせず、一家でパレルモに引っ越してしまい、トトは、ローマで兵役につきます。除隊後、トトは、ジャンカルド村に帰ってきますが、エレナの姿がない事にショックを受けます。トトは、しばらく落ち込んでいましたが、アルフレードの強い勧めで、故郷を離れる決意をします。アルフレードは、まだ若かったトトに、村に籠るのではなく、村の外に出て、自身の将来を考えてほしかったのです。



故郷を離れてから30年後、トトは、アルフレードの葬儀に参列する為、ジャンカルド村に帰ってきます。パラダイスは既に廃館になり、駐車場に姿を変える日を待つばかりでした。すっかり荒廃してしまったパラダイスで、トトはアルフレードの形見のフィルムを見つけ、ローマへ持ち帰ります。その後、ローマにある試写室で、トトは持ち帰ったフィルムを映写するのですが、みるみるうちに目に涙が溢れてきます。潤んだ目が見つめていたのは…。



この映画は、1989年に第62回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞、同じ年にカンヌ国際映画祭で審査員特別大賞を受賞しました。この映画では、主人公・トトことサルヴァトーレの映画と共に生きてきた歳月が、実に丁寧に描かれています。母親から預かったお金を映画の入場料に使った事も、パラダイスの映写室に入りたいと願った事も、パラダイスが全焼した事も、エレナとの恋も、アルフレードの後押しで故郷を離れた事も皆、平凡に見えて、実は大切な思い出ばかりである、ジュゼッペ・トルナトーレ監督は、あまりにも有名なテーマ曲"Cinema Paradiso"を用いて、感動的なエピソード一つ一つに、そんなメッセージを込めたのだと感じました。








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